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日本祭りで「大豆食」宣伝=伯パ〝ママイ連合〟登場か

6月6日(金)

 今年で開催六回目を迎えるブラジル日本都道府県人会連合会(中沢宏一会長)主催の「フェスチバル・ド・ジャポン(日本祭り)」に、ブラジルとパラグァイ両国の〃ママイ連合〃が登場する可能性が濃厚となってきた。両者を繋(つな)いだのは「大豆」だ。サンパウロ市で行われる日本祭りの日程は、七月二十五日から三日間の予定で、今年は昨年を上まわる三十五万人の人出が予測されている。
 吉加江ネルソン正健実行委員長(宮崎県人会会長)を中心にフェスチバルの準備が着々と進んでいるが、今年、ブラジルが米国を抜いて大豆生産で世界一の座を確保したのを機会に、県連は「ブラジル食にもっと大豆を」をテーマとする特別キャンペーンを企画している。その実行委員長に田畑稔さん(県連副会長、鹿児島県人会会長)が就任した。
 趣意書には「ブラジルの大豆生産は、世界の総生産の約四分の一であり、世界一の輸出国であります。しかし、ブラジル人は大豆を食べる習慣がないので、ルーラ政権の『飢餓ゼロ』政策に共鳴し、『ブラジル人の食にもっと大豆を』のキャンペーンを企画しました」とある。
 この企画にいち早く賛同したのが、ブラジル農協婦人部連合会(ADESC)と、遺伝子組換えでない、本物の高タンパク質大豆「オーロラ」の生産地として有名なパラグァイのイグアスー移住地だ。
 行動は早い。六月三日、イグアスー農協会議室にイグアスー日本人会、同婦人部、農協、同青年部の幹部、それに、サンパウロから駆けつけたADESCの上芝原初美会長、玉腰豊子、飯田正子両副会長が出席して合同会合が開かれた。婦人部同士の主導で、熱気あふれる話し合いが進行し、日本人会と農協の幹部はもっぱら脇役に徹したようすだった。母は強し、初めての会合で意気投合し明白な結果を産んだ。
 ADESCとイグアスー移住地が、共同歩調でフェスチバル・ド・ジャポンに参加して、会場で調理の実践などを加えながら、食材としての大豆の効用をキャンペーンすることになった。
 移住地から料理の腕に自信のある十人のママイたちがフェスチバルに参加すること、「オーロラ」を食材の核として、家庭でも手軽に楽しめる健康料理(複数)を作ることが決まった。肌の美容保持にも配慮するという。主役は「大豆」、それを演出する主役も「ママイたち」だ。
 今年はブラジル移住九十五周年、戦後移住五十周年でもある。この節目の年に〃日本祭り〃の輪が、ブラジル国境を越えて南米大陸に広がる兆候が見えてきた。これこそ、発想の前進である。元気なママイたちの活躍にエールを送りたい。