6月10日(火)
【アゴーラ紙、エスタード・デ・サンパウロ紙七日】マルタ・スプリシーサンパウロ市長(PT=労働者党)は六日、TVグローボのニュース番組で、市内路線を担当するバスやロタソン、マイクロバスに高齢者の運賃の補助金を支払うと声明した。
高齢者は、無料で公共交通手段を利用する権利がある。だが高齢者を乗せることで出る負担料は、これまでサンパウロ市側から一銭も出たことはなかった。ロタソン業者などは、サンパウロ市に圧力をかけるため、わざと高齢者の乗車を拒否していた。
サンパウロ市がロタソン業者との〃腕相撲〃で破れるのは過去二週間で二度目。サンパウロ市は五月二十三日、路線の運行の遅れや、ドアを開放したままの運行など、ロタソン側の交通違反に対する罰金額を三八%まで下げると発表したばかりだった。
マルタ市長の発言内容はサンパウロ市も全く知らされていなかったが、同市交通局はさっそく「七日から始まる」と言明。ジウマール・タット同局長によると、高齢者運賃負担料は、高齢者乗客の予想人数から計算され、ロタソンに一人当たり一・四レアル、バスに一・五六レアル支払われる予定。電子改札に変更された場合、高齢者用の特別パスを設ける意向でいる。
マルタ市長は負担料を支払う代わりに、バス運転手や車掌、ロタソン業者に七月から交通局で開かれるエチケット講座で勉強させるとの考えを示した。講座はまだ計画段階で、それについての詳しい説明はなかった。
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[市内バス路線の一〇%は再編後に悪化]
サンパウロ市は六日、五月十七日に行われたバス・ロタソン路線再編後、路線の一〇・三八%が悪化したことを初めて認めた。
バスやロタソンを管理するサンパウロ交通機関公社(SPTrans)が、同社の電話サービス(一五八番と一五六番)に寄せられた苦情を集め、最悪状態にある路線を割り出した。苦情最多は6837線(ジャルジン・ダス・パウマス―テルミナル・カペリーニャ間)で百五十一件。地域別には、サンパウロ市西部第八エリア路線の苦情が多く、百五路線のうち八十五路線が苦情対象になった。
苦情が十件以上あった最悪状態路線は、現在の千二百九十一路線のうち百三十四路線。一件だけでも苦情があった路線の総数は七百九十路線に及び、全体の六一%に相当する。
最も多い苦情内容は「待ち時間が長くなった」、「運行台数が少ない」、「運転手がバス停に気付かない」、「いつも満員」だった。