6月10日(火)
浄土宗南米開教五十周年三大記念行事が六、七、十日にわたって行なわれている。日本から袖山榮眞・浄土宗東京事務所長をはじめ僧侶、壇信徒関係者六十一人、アメリカからは麻谷正彦・北米開教総監、楢柴裕文・ハワイ開教総監が来伯している。
祝典は六日午前十時から、別院で開かれた。小松雹玄・JICAサンパウロ支所長、松尾治・文協副会長、和井武一・援協会長、綱野弥太郎・元県連会長、ブラジル仏教連合会代表ら多数の来ひんと壇信徒合わせて四百五十人が出席。
法要の部は袖山所長、松本眞岳・浄土宗総務局長、佐々木陽明・南米開教総監の指導の下、荘厳に行なわれた。
式典の部は、中村康隆・浄土宗門主より中村勲・日伯寺護寺会長ほか二十二人に感謝状が贈られ、袖山所長が中村代表に伝達した。また、佐々木総監からは中村サンパウロ、植田憲司マリンガ、村山三郎イビウーナの各護寺会長を代表とした功労者、イビウーナ日伯寺を建設した竹中工務店に感謝状が贈られた。イビウーナ日伯寺献呈式のほか、祝辞、法話があり、佐々木総監が各方面に深く感謝の意を表した後、祝宴が繰り広げられた。
七日は午前十時から、イビウーナ日伯寺本堂落慶法要が行なわれた。池田首席領事、州警ソロカバ連隊からジョン・オリベーラ・ベルランジェリ大佐、宮城ジョルジ元軍医大佐、ファビオ・ベロ・オリベーラ・イビウーナ市長、松尾文協代表、菊地援協代表、吉加江正健・県連副会長、西谷博・元県連会長など、地元はもとよりスドエステ各地、サンパウロ、マリンガなどからも約千二百人が参集、三歳から十二歳児童六十人による稚児行列などが行なわれた。落慶法要は佐々木総監指導の下、山深いイビウー・ムルンドウの里であった。読経の声が静かに響くなか、参加者らは焼香のための長い列をなした。
法要の後、長谷川匡俊・淑徳学院理事長、佐々木エドワルド良法マリンガ日伯寺住職がそれぞれ記念講演を行なった。
南米浄土宗の三番目となる新寺院はイビウーナ市から南へ二十キロ、ムルンドウ区、標高千二百メートルの高台に立地、故・村上正朋さん寄贈の住宅付き六アルケーレスの土地を造成して建立された。本堂、開山堂、寺務所、念仏堂などがあり、スドエステ地方では初めての大寺院という。
同寺院は(一)サンパウロ州西部地方の日系への開教活動(二)サラナ生涯学習センターで福祉活動(三)老壮年者や青少年、婦人会の研修活動(四)ブラジル人へのポルトガル語による仏教伝導――などの拠点を目指す。将来は大学開設も視野に入れている。
なお、きょう十日午後三時から、マリンガ日伯寺で、青少年教化施設開所式、浄土宗海外開教シンポジウムが開かれる。