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投影剤汚染は製剤責任者のせい=製薬会社社長が証言

6月11日(水)

 【既報関連=エスタード・デ・サンパウロ紙十日】ディカライ・エニーラ製薬社長はリオ市の警察署で九日、二十二人の死者を出したレントゲン投影剤・セロバールの汚染は同社の化学者、フォンセッカ氏に責任があると証言した。
 同社長によると、フォンセッカ氏は猛毒物質を扱った器具の洗浄を「忘れた」という。同化学者は二十三日付で解雇され、九日、弁護士を連れて公衆衛生に関する犯罪捜査署に出頭した。同化学者、社長、薬剤師の三人は薬剤偽造(十年以上十五年以下の刑)と殺人(二十年以上三十年以下の刑)の罪で起訴されることになる。
 エニーラ製薬は炭酸塩バリウムをセロバールの主成分である硫酸塩バリウムに変化させる実験を行ったことを同社長は認めた。しかし、証拠は示さなかったが、炭酸塩が混入した硫酸塩バリウムは廃棄されたことを保証した。硫酸塩バリウムは殺鼠剤として使用され、世界で四つの製薬会社しかそれを合成することができない。
 同化学者は品質管理部が汚染の危険性を指摘したにもかかわらず、汚染されたロットを販売に回した唯一人の責任者で、品質を証明するためにフラスコに入ったセロバールを飲んだと社長に報告していた。薬剤師の一人も品質管理部が同ロットの薬剤を不合格にしたのに同化学者が販売に回したと述べた。
 薬品製造に使用される原料の品質管理は各製薬会社の責任で、原料はすべて、成分の一つ一つが成分表示と一致することを求められる。原料に問題がある場合、製薬会社は衛生監督庁(Anvisa)に四十八時間以内に報告する義務がある。〇二年には二百八十九の報告が、今年に入って五十四の報告がなされている。