6月11日(水)
【エポカ誌】第二の人生を農業にかけ、今日そのアグリビジネスの実を摘んでいる男がいる。イドネ・L・グロリさんは五年前、二十年間の平凡で退屈なサラリーマン人生に終止符を打って脱サラをした。
彼は一九五四年、南大河州の貧農の家庭に生まれた。成長して食糧メジャーのブンゲ傍系セバル食品会社に就職、ブラジル全国を管理職で派遣されるようになった。一九九八年、会社に辞表を出した。その後手持ち資金は、毎年三〇%ずつ増やして行った。
セバル社時代は、全国各地で成功と失敗の物語を実際に見学した。七〇年代は、南大河州で大豆栽培を担当。八〇年代は、バイア州で土壌分析を学んだ。当時はまだ安価だった西バイアの土地、二千ヘクタールを購入した。十年後、会社から南マラニョン州へ派遣されたとき土地を売却した。
脱サラ後、家族はサンルイス市の高級アパートに置いて、農場へ単身赴任をした。それぞれの専門分野をもつ四人の共営者とともにトカンチンス州とピアウイ州近くのマラニョン州バウサ郡に土地を購入、アグリビジネスに挑戦した。多角経営で二千二十ヘクタールに大豆を植えた。トウモロコシが二百ヘクタール、パイナップルを百五十万本。
一ヘクタール当たりの利益は、大豆が千五百レアル、パイナップルは一万レアルだ。大豆の生産性は五年前のヘクタール当たり三十俵から百俵へ飛躍した。土地代は現在ヘクタール当たり三百八十五レアル、五年間に四倍値上がりした。