6月11日(水)
豆腐のデザート、「豆腐花」(トウフホア)が若い人を中心に人気を博し、東京・青山の専門店では長蛇の列が出来るほどだという。豆腐を約一週間発酵させてつくり、ショウガ味やミカン味のシロップをかけて食べる。中国東北部が発祥の地とされ、大陸、台湾では一般の家庭料理として代々伝わり、健康食品として愛されている。デザートの元になる粉を使えば、ブラジルでも簡単につくれる。
台湾系ポルキロ店の経営者(リベルダーデ区)に、「豆腐花」の食べられる店を尋ねたら、「成品(製品)があったら、教えてよ」と、逆に質問を受けた。
ほかの移住者に聞いても、同様の返答だ。ブラジルの中華レストランでは、まずメニューに加わっていないのだという。
原料となる大豆の品質が中国産とブラジル産では微妙に異なっており、デザートの味に反映してくるのだ。
また、手間暇がかかることから、手作りの習慣は本国でも移住先国でも薄れてきているようだ。
販売を目的にした商品の輸入も行われていない。ただ、デザートの元になる粉が輸入、販売されており、各家庭では朝食や簡単なおやつに用意されている。
世代が代わっても、伝統料理が継承されているという。
料理を教えた経験のある江美恵さん(六六)に、粉を使用してつくってもらった。
形状は豆腐と変わらず、大豆そのままの味。淡白な感じがするので、何杯でも食べられそう。
レシピは次の通り。六時間ほど水につけた大豆三百グラム(二人分)を茶碗六杯の水とミキサーにかけた後、しぼって豆乳にする。豆乳を沸騰するまで、煮てあくを取り除く。
粉は茶碗一杯の水に溶かし、容器に入れる。この上に煮だった豆乳を流し込み、蓋をして十分ほど冷やす。
シロップ(ショウガ味)の作り方は、圧力なべで四十分ほど煮たピーナッツを黒砂糖(大サジ三杯)、ショーガを降ろしたもの(大サジ一杯)と適量の水に入れて煮るだけ。
温めて食べても、冷やして食べてもよい。