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メルコスル統合強化で一致=伯亜首脳が初会談=議会、共通通貨も推進

6月13日(金)

 【時事、エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】ルーラ大統領は十一日、ブラジルを訪問したアルゼンチンのキルチネル大統領と初めて公式会談を行った。
 両首脳は会談後の記者会見で、大統領らの任期終了までに両国とパラグアイ、ウルグアイでつくるメルコスル(南米南部共同市場)の統合を強化し、メルコスル独自の議会や通貨機構設立も進めていく方針を改めて表明した。ルーラ大統領は会見で、地域統合は「もはや選挙用の宣伝文句ではなく、具体的行動に移すべきときだ」と述べた。
 アンデス共同体(CAN)加盟諸国とメルコスルとの貿易協定、メルコスル、特にブラジル、アルゼンチン両国間の、エネルギー、交通、港湾といったインフラの統合も会談の主要議題となった。
 欧州連合(EU)の欧州議会をモデルとするメルコスル議会については、一月にルーラ大統領とアルゼンチンのドゥアルデ大統領(当時)との会談でも取り上げられた。また、通貨機構は、メルコスルで議論されている共通通貨導入の前段と位置づけられている。
 メルコスルは今年八月までに、参加国四首脳のうち三人が交代し、いずれも地域統合の強化を掲げて選挙戦を勝ち抜いた。ただ議会や通貨機構の機能や構成は明らかでなく、「比較的短期間のうち」(ルーラ大統領)とされる設立時期も具体化していない。アルゼンチンの輸出に対する社会経済開発銀行(BNDES)の融資など、両国の相互交流について最も関心を呼んでいるテーマに触れることを、両大統領は記者会見で避けた。
 メルコスルは十八日に、パラグアイで首脳会議を開く。ただ、パラグアイなどには、ブラジルとアルゼンチンの両地域大国主導の統合に警戒感もあり、同会議でどこまで突っ込んだ意見交換ができるのかは不透明だ。
 メルコスル域内の貿易額は〇二年で七十億八千五百万ドル、アルゼンチンの同域内への輸出額は四十七億四千四百万ドル、輸入額は二十三億四千百万ドルとなっている。