ホーム | 日系社会ニュース | サウト市聖北大会 相撲〝未開の地〟に土俵=日系人2人が献身、実現=柔道から入ってくる選手たちに=東さん、技術指導も

サウト市聖北大会 相撲〝未開の地〟に土俵=日系人2人が献身、実現=柔道から入ってくる選手たちに=東さん、技術指導も

6月13日(金)

 [既報関連]聖北地区相撲連盟(武市勝会長)は、さる一日、サウト市ジョアン・ルイス中央運動公園常設土俵で「聖北地区相撲大会」を催した。約百五十人の選手が参加し、三百五十人の観衆でにぎわった。ビウジオ・デ・レリ・サウト市市長らが出席し、大会終了まで試合を見守った。同公園内の土俵は五月末に完成し、今回が初披露。土俵作りは、何よりも相撲を愛す二人の日系人の献身があった。

 
 「練習生たちに、畳ではなく土俵の上で練習させたかった」。東誠さん(六一)は、土俵作りのきっかけを語った。東さんは、十五歳に熊本県から渡伯、十八歳頃にサウトに入った。現在は、苗作りを生業とする。
 土俵は、直径四十センチの四方柱に屋根がつく本格的なもの。東さんと清田武久さん(六〇)が手弁当で作り上げた。四月初旬に市からの許可が下り、六月の大会に向けて毎日公園に通った。
 「今回、常設土俵が出来たのは市長をはじめ、多くの協力があったから。柔道の方から相撲をする若い芽が育ってきている。日系での広がりも期待している」と、相撲への期待を語った。
 サウト市で、相撲が始まったのは昨年三月。東さんが柔道をする子どもたちに、相撲を指導した。これを契機に、現在は四十人以上の練習生に、週一回稽古をつける。
 大会は、午前八時半、須永久雄会長のあいさつの後、土俵祭りで始まった。開会式では、聖北地区の相撲発展に尽力した故石浜農夫雄さんの妻石浜けいこさんに、感謝状が贈られる場面もあった。二百人近くの参加者が集まる中、九時半から幼々年の部の試合が行われた。
 優勝者は以下の通り。[幼々年の部]男子C、ケニー・岸本。男子B、ダニエロ・ソアレス。男子A、ハルノブ・安田。女子C、キャロリーン・ペレイラ。女子B、ラファエラ・マリア・ダ・クルーズ。女子A、ジャクリーン・ソアレス。[少年の部]男子B、チアゴ・マゴッソ。男子A、ケンイチ・森本。(敬称略)。