6月17日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十四日】マルタ・スプリシーサンパウロ市長(PT=労働者党)は十三日、西部レボウサス通りの活性化計画を発表するため記者会見に応じた。同計画によるバス停などの変更でバスの運行時間は短縮するものの、バス停数や車線数が減るため市民団体から批判されている。同市長は特に厳しい批判の声を上げている『デフェンダ・サンパウロ(サンパウロ市を守れ)』団体に対し、「同団体はサンパウロ市ではなくブラジル社会民主党(PSDB)の利害関係を守っている」と抗弁した。
同団体側は、政治的な圧力ではないと市長の発言を否定。「これらの変更によって、乗用車への影響などがどうなるかを知りたいだけ。サンパウロ市側は詳しい情報について何も説明していない」と言明している。
九月までに完成予定の同計画は、ブリガデイロ・ファリア・リーマ通りからパウリスタ大通りを結ぶレボウサス通り二・五キロ間のバス停を歩道側から中央分離帯に移動する。
だが、これによって現在八カ所あるバス停が五カ所に減らされる。バスが停まる回数が減るので運行時間は短くなるが、一部のバス利用者にとってバス停が遠くなるのは確実である。現在バス停はピニェイロス側に八カ所、ジャルジンス側に九カ所ある。
中央分離帯側の車線はバス専用車線になる。既存の車線のように塀で囲まないが、車線付近にはセンサーが設置され、バス車線に侵入した一般乗用車に罰金を科す仕組みになるという。
また現在の四車線が三車線に減る。三車線のうち一車線はバス専用車線なので、一般乗用車が通れるのは二車線のみ。サンパウロ市側は、右車線でバスの運行がなくなり、右折する際の渋滞が減るので、乗用車の平均速度はかえって増すと主張している。
主要道路との交差点に設置されるバス停は一種のターミナルとなる。屋根つきの建築物の中には椅子や公衆電話、バスの待時間を表示するパネルなどが設けられる。サンパウロ市によると中央分離帯の木々は除去されず、歩道にはイペーやジャカランダーなどを植樹する。
レボウサス通り活性化計画の費用は百四十三万レアル。ターミナルの建設や電球交換などが含まれる。サンパウロ市はこの種の工事をほか二十カ所でも実施する予定で、総費用は一億四百万レアルに及ぶ。