6月18日(水)
【ヴェージャ誌】学窓を巣立つ若人のための就職前線が、厳しくなっている。日の当たる職場を得るために、何が求められているか。高学歴化が進行し、先端技術の習得者も珍しくない。志しを遂げた六百人を追跡調査したところ、就職または独立経営に踏み切り幸運を射止めた人には共通点のあることが判明した。
共通点は三つ。第一は彼らには、フロンティア・スピリットを育んだ家庭環境があった。第二は、プロ意識がおう盛。二カ国語を完全にマスターし、在学中に就職先をすでに契約していたか実務に進み実績を上げていた。第三に個性だ。創造力、指導力、率先力、協調性、平衡感覚、全力投球の可否などがある。
会社が就職希望者に最も求めるのは、経営者の視線でものを見ることができるかだ。そして問題に挑戦する姿勢と行動力。行動力とは、花形産業の安泰な職種と保証された安楽な生活を求めるか、イチかバチかのリスクに挑戦することを選ぶかで決まる。
エリート・コースで学び、有名企業に就職する時代は終わった。大学教授の数も増え大学卒業者も急増したが、職場数は増えていない。最高学歴と最高技術を有し、上司の命令に従う謹厳実直だけが取り柄の人は、掃いて捨てるほどいる。
履歴書の上に漂うアイデアマンとファイトマンを演出できるか。ビジネスは常に変化する。プロは、時代感覚を常に磨いている。専門書を読みゼミに出席し、毎日寝る時間もないような猛烈スケジュールだ。
卒業生の足跡を追って、次のような情報を得た。
[農学部]東北伯といえば最も貧しい地域という既成概念が定着している。いまアグリビジネスで若い資産家が続出している。しかも地元の東北伯出身者ではなく、南大河州をはじめとする南伯出身者なのだ。
[経営学部]超豪華な病院、ホテル、観光、投資顧問などの経営管理とサービスが求められている。
[都市建築学部]ビル建築ブームは終わったが、改装、改築、造園、室内装飾、雰囲気の演出などが有望。
[生物学部]バイテクは二十一世紀の花形産業。副作用のない新薬開発、コピー薬品の試作。農作物の品種改良、食用かきん類の改良。[法学部]公社の民営化に伴い電気、電話、石油部門は請負企業との事業契約、企業合併、企業分離、閉業手続き、資産管理に詳しい弁護士を求めている。
[経済学部]税理士、独禁法とカルテルの専門家、マクロ経済の分析士が有望。
[体育学部]美容体操、リゾート、フィットネス、発汗産業と引っ張りだこ。
[看護学部]メスを執らない医師といわれ、高度に訓練された看護婦を超デラックス病院が求めている。
[工学部]食いはぐれがないといわれた時代は終了。注目は、農業立国にふさわしい農業土木、生物化学を含めた農業工学が有望だ。
[地理学部]地球温暖化の時代、道路建設、電話敷設、リゾート開発など環境工学で活躍の場は大きい。
[情報学部]インターネットの出現により、使命が一変した。これからはフリーランスの時代で、専門的な特殊情報を一定の人々に提供する情報産業が有望。
[文学部]自助努力シリーズのベストセラー作家になり、独立した人が多い。
[数学部]高等神経の持ち主でありながら、宝の持ち腐れが多い。微分子の分野に入り、巨万の富を築いた人たちが多数いる。
[心理学部]自己啓発の関連部門で売れっ子が多い。