エコノミーア

6月18日(水)

 基本金利問題で中銀通貨審議会が十八日、金利引き下げ圧力大合唱の中で行われる。パロッシ財務相はインフレ抑制が最優先であり、圧力に屈して金利を引き下げインフレが再来するなら、あとは責任を取れないと述べた。ジルセウ官房長官をはじめ四閣僚が十六日、金利問題を話し合った。金利を引き下げても現在の景気の冷え込みは回復できないという結論に至ったようだ。
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 金融市場は金利据え置きと引き下げで、見通し伯仲した。しかし投機筋は、引き下げ傾向が顕著となっている。中銀のアウグスト通貨政策担当理事はインフレが三月をピークに四月から続落していると発表した。インフレは今年に入って為替事情が好転したから沈静化するとみている。しかしインフレは構造的問題とする派と金利政策で抑制できるという派との論争が、まだ続きそうだ。
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 アモリン外相は十三日、米国メリーランドで開催された米州自由貿易地域(FTAA)会議に出席した。参加三十四カ国のうち十四カ国が、これから十八カ月にFTAA発足を承認した。しかし具体的な内容は何も話し合われなかったが、ブラジル案に対して米政府が前向きに検討するという約束を得たと外相は語った。
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 年金改革で荒れているブラジルと同時期、ドイツでは年金受給年齢を六十五歳から六十七歳に引き上げ、失業保険は一年から六カ月に縮小する案が出ている。フランスは公務員の最低勤務年限を三七・五年から四〇年に引き上げ、年金は引き下げると公務員にとって冬の時代が到来している。