6月18日(水)
日本、海外合わせて八十五人のアマチュア歌手が歌唱力を競い合う第十九回日本アマチュア歌謡祭グランプリ大会(NAK日本アマチュア歌謡連盟主催)が五月二十四日、東京のメルパルクホールであり、ブラジル代表の丹後田リリアンさん(一七)が最優秀歌唱賞に輝いた。寺部パウロさんは審査員特別賞。丹後田さんは、レコード会社から引き合いの声がかかるなど、日本の音楽界にその実力を知らしめた。
大会には日本から六千人の予選を勝ち抜いた八十一人、海外予選通過者四人が出場。審査員には元日本レコード大賞審査委員長で五木ひろしのプロデューサーの小西良太郎氏を委員長に各レコード会社のディレクター、プロデューサーが名を連ねた。
丹後田さんは昨年、第五十回記念全伯歌謡唱歌コンクールで優勝、日本大会の出場権を獲得。当日は二十番目に石川さゆりの「歌麿」を熱唱、グランプリ獲得者の吉野友梨さん(一六、愛媛県代表)と審査員を二分した。
僅差で惜しくも賞杯を逃した丹後田さんだが、最優秀歌唱賞に輝いた。歌唱後、日本の有線テレビや新聞社、ハワイのテレビ放送などからインタビューを受け、大会後も握手攻めにあうなど大好評。ブラジル日本アマチュア歌謡連盟の北川彰久会長のもとには、レコード会社各社から引き合いがあり、「日本語の心配さえなければ、今すぐにでも」という声もあったという。
日伯アマチュア歌謡連盟はこれまで、第十三回大会に出場した広石雄二さんがグランプリ、小沢節子さんがブロンズクラス優勝、第十四回大会では加藤テレーザさんが最優秀歌唱賞、第十七回大会では吉川年秋さんがグランプリ、石光文枝さんが審査員特別賞を獲得するなど、ブラジルの歌唱力の高さが評価されている。