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イビラプエラ公園 オゾン汚染で警告=正常大気の倍以上=呼吸器官に障害及ぼす

6月19日(木)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十五日】サンパウロ市のイビラプエラ公園が、オゾンによる大気汚染で〇二年に最も多く警告された場所となった。
 百十万平米の緑地で、平日は七万人、日曜日には十三万人が訪れるイビラプエラ公園は、衛生設備技術センター(Cetsb)の大気サンプル調査で〇二年に一立方メートル当たり三百二十六ミクログラムのオゾンを記録した。この数値はサンパウロ市内では最高値で、正常な大気に含まれるオゾンの限度は百六十ミクログラムとされている。同調査が行われた昨年・三百五十一日のうち二十六日が、大気の危険状態(健康に甚だしい害を及ぼす状態)だとされた。この日数は過去五年間で最も多い。他の公園は測定器がないのでオゾン量は不明。
 オゾン(O3)は三つの酸素原子で構成された不安定な気体で、成層圏でオゾン層を形成し、発ガン性のある紫外線を遮断する利点がある。その反面、活性度が高く、タンパク質、脂肪、遺伝子を攻撃する毒素に変質し、対流圏(大気の最も低い層)では植物の成長を害する。人体に対しては鼻、食道、気管支、肺の抵抗力を落とし、せき、気管支炎、ぜん息、鼻炎、副鼻腔炎、咽頭(いんとう)炎などの病因となり、がんを発生させることもある。自動車の排気ガスなどに含まれる窒素酸化物(NO2)が太陽光によって酸素(O2)と化学反応し、オゾンが発生する。
 イビラプエラ公園でオゾンが多いのは、一日に百万台近くの車が通行する大通りがすぐ側にあり、太陽にさらされる場所が多いためと考えられている。
 サンパウロ総合大学(USP)医学部のサウディヴァ医師は、運動不足よりオゾンの多い環境で運動する方が健康には良い、ただし、大通りに沿って走ることは避けるべきと話した。しかし、USPの物理学者は、同公園はジョギングにはよくないと述べた。
 Cetsbのロマーノ大気技術部長は「十五年から二十年にわたる長期計画作成のためのデータを収集している」と、大気汚染物質を減らす計画は現在ないことを認めた。しかし、九十八年以降、一酸化炭素などオゾン以外の汚染物質は減少傾向にあるという。