6月21日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】わずかながら今後に通じる、基本金利引き下げを決定した同日(十八日)、連邦政府は六月末までに〇三年度予算の中から八億レアル分を、住宅、交通、衛生分野に向けて執行に移すと決断した。
同決断はジルセウ大統領府官房長官がクーニャ下院議長(PT=SP)の自宅で与党幹部と行った朝食会で発表した。八億レアルは厳しい財政引締め策を採用した政府によって、今年初めに凍結されていた。
「ブラジルがインフレのリスクなしで成長軌道に戻ることを望む。そのため、期待していたような、急激な金利引き下げを行えなかった。だが、インフレを引き起こさない投資に予算を費やすことでバランスをとることはできる。各省に向けられた予算の執行は経済を刺激するだろう」と同長官は与党幹部らに決断理由を説明した。
高インフレ、経常収支赤字、一ドル四レアル近くのドル高、失業率上昇などを前政権から引継ぎ、財政収支黒字目標を三・七五%から四・二五%に引き上げる緊縮財政策を採用せざるを得なかったと同長官は過去を振り返った。「今年の財政黒字目標が達成される見通しがつき」(PT下議副代表)、「政府は少しリスクを冒す政策を取り始めた」(PMDB幹部下議)と与党幹部らは発言した。
〇三年一月から五月末までのルーラ政権の予算執行率は一・二%と過去九年間で最も低い。五月末に十億四千万レアルの予算凍結解除が発表され、約三億レアルの予算が執行に移っているが、大部分は各省予算局への再配分が必要で執行が遅れていた。