6月21日(土)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十日】伯米首脳会談が二十一日、ホワイトハウスで行われる。会談の議題はエネルギー、農業、医薬品に関する両国代表による実務委員会の設置となっている。
二〇〇五年発足のFTAA(米州自由貿易地域)へのブラジルの意向確認も、討議される。特に注目されるのは、両国間で硬直状態にある農業実務委員会の設置だ。リナック駐伯米大使が両首脳はウマの合う仲ではないが、物の見方が同じなのが救いだと述べた。
両首脳二人だけで三十分、続いて両国の閣僚十人がそれぞれ加わり二時間三十分の会議予定、その後声明をかねた昼食会となっている。今回の首脳会談は両国の閣僚級人物が、再々往来して下準備を行った〃世紀の会談〃ともいうべきもの。
エバンス米商務長官は、両国の通商交渉は両巨頭が舟の上で拳銃を構えて話しているようだといった。一方が舟底目がけて発砲し、他方も発砲しかねない。二発目は、舟を沈める恐れがあると心配した。
米農務省のタープスト次官は、両国は妥協点を見いだす実務会議を設置すべきと提案した。またWTO(世界貿易機関)へ提訴した件では、被告席に米国だけでなく日本、EUも列席するべきだという。
フルラン産業開発相は中国やインド、トルコとの貿易が急増し、対米依存が減少したので有利だと述べた。交渉は、一発で決まるものではないと楽観視している。ただ一九九四年にNAFTA(北米自由貿易協定)を締結したメキシコの経済が奇跡的発展したのはショックだとしている。