6月21日(土)
六月一日付けでブラジル三菱商事会社取締役社長に着任した多田稔氏(五三)が十七日、三菱商事理事米州担当CEO補佐で前任の工藤章氏(五六)とともに来社、ブラジル経済の見通しや今後の抱負を述べた。
新任の多田氏は一九七二年、三菱商事に入社。七七年から鉄鉱石部門一筋。九〇年から五年間、米国ニューヨークに駐在、その間にブラジル出張十数回という。
一方、前任の工藤氏はリオデジャネイロで二年間、サンパウロで三年間、商工会議所会頭を務め、中南米駐在は計十七年。中南米専門家といわれるほどブラジル経済に詳しい。
多田氏は今後の事業展開について、「ブラジルは天然資源の国。アルミや銅、ニッケルのほか、植物資源も豊富。それらの資源を活かして、ブラジル発展に協力したい」と意欲的。ポルトガル語に関しては、「サバイバルできるくらいにはならなくては。ただ、五十歳を過ぎてからの勉強は難しいですね」と苦笑した。
多田氏は、ブラジルは利子が高く、投資がしにくくなっていると嘆きながらも、「ブラジルに大いに期待している。持続して経済が伸びてほしい」と語った。