6月24日(火)
老人ホームに入居するよりは、在宅介護サービスを受けながら、自宅で過ごしたい?サンパウロ日伯援護協会(和井武一会長)がJICAの支援を受け昨年十二月より実施してきた「要介護老人実態調査」の中間報告が二十一日、定例役員会で発表された。老人ホームへの入居を希望する人が全体の二二%だけなのに対して、自宅にいながら介護を受けたり、通所施設(デイサービス)を利用したいと考えている人は七六%上っている。
この調査は六十五歳以上の日系人を対象に、大サンパウロ圏内で行われた。質問事項は世帯構成、収入、余暇の過ごし方など十六項目。九千五百六十枚を配布、現段階で四千二百七十人から回答を得た。
独居老人は四百五十人(一〇・五%)、高齢者世帯は千三十九人(二四・三%)でお年寄りだけの世帯が千四百八十九人(三四・八%)を占める。
年金を受給している人は三千二百七十五人(七六・七%)。日本から年金を得ている人は百七十二人(四%)、日伯両国から年金給付を受けているのは百八十九人(四・四%)に留まった。
逆にブラジルの年金を受給しているのは二千九百十四人(六八・二%)に上る。
千四百三人(三二・九%)は、一カ月の収入が最低賃金だけ。最低賃金の三倍までで暮らす人が二千三百二十二人(五四・四%)と半数以上だった。
余暇の過ごし方について(複数回答可)、テレビ、ラジオ、ビデオ、読書、新聞と答えた人が三千九百二十九人と最多。家に閉じこもりがちな〃寝たきり予備軍〃が相当いるのではないかとみられる。
九八・八%に当たる四千二百十九人が、困った時に介護をしてくれる人の存在を肯定している。介護者には、息子(二千五百四十九人)、娘(二千五百八十八人)を挙げる人が目立つ。
介護が必要になった時、受けたいサービスは、在宅介護が三千百三十人(七三・三%)で最も多い。病院が七百七十九人(二四・九%)と続く。老人ホームと越えたのは三百七十四人(八・八%)だけ。
援協は七月中旬までに調査を完了する予定だ。