6月25日(水)
【イスト・エー誌】G8先進国首脳サミットに対抗するG3途上国首脳サミット構想が動き出した。来伯したインドのヤシュワン・シーニャ外相、南アフリカのコサザナ・ズマ外相との間で十三日、ブラジル主導のG3が誕生した。
予定では、中国とロシアも加える予定となっている。第一段階として、IT技術とエイズ予防薬などの交流から始まる予定だ。両国の貿易額は現在、まだ四億一千万ドルに過ぎない。
インド外相にブラジルにかける期待について質問をした。
[今回の来伯目的]従来の友好関係にとどまるだけでなく、インド工業連盟の在伯事務所の開設とインド企業家ミッションとブラジル企業家との実務的協議だ。
[ソフトウエアのほかにインドが得意とする分野]バイオテクノロジー、宇宙開発、核開発がある。ブラジルのエイズ用コピー薬品にはインドの技術が応用されている。インドがブラジルに関心を抱いているのは航空機だ。
[G3はG8に対抗可能か]ブラジルとインド、南アフリカの途上国三カ国首脳会議は、もっと早く発足するべきだった。三カ国は、大きな国内市場を有し共通する点も多く相互補完関係にある。G8のような貿易摩擦は、起こらない。地理的にも三カ国は、好都合な配置にある。
[インドの特長は]第一は東南アジアが経済危機に見舞われたときも、インドは経済成長率六%を保持した。第二は低所得層への富の再分配が成功しつつあること。これは理想的な経済政策モデルとしてインドが誇るもの。そのためインドは〃飢餓銀行〃を設置した。飢餓ゼロ計画は食料の配布ではなく、富の再分配がカギだ。[なぜガンジー氏は原理主義者に暗殺されたのか]原理主義は宗教と合体すると国家主義に発展するので、政府は管理しなければならない。民主主義は、国家主義を凌駕することが必要だ。[民主主義を信奉する国のカースト制度とは]インドのカースト制度は、非常に長い歴史があり都市では原則的には終えんしたが、潜在意識の中に刻み込まれたものを消すのは難しい。農村部には考え方の古い人がいる。しかし近代化の波に乗り、若い人たちは先取気鋭に富み、カースト制度は過去のものとなりつつある。