6月26日(木)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十五日】パラナ州の農地占拠運動(MST)メンバー千人以上が二十四日、州内の通行料金所八カ所を占拠し、運行中の全車両を無料通過させた。またペルナンブーコ州コンラード郡では検討中の予定地四十カ所をMSTが占拠した。サンパウロ州では農村労働者連盟(FERAESP)所属の三百家族がコリーナ郡の農場を占拠。政府の対話呼びかけに、次々新しいグループが名乗りを挙げている。
パラナ州議会がレキオン州知事のプロジェクトを討議していた直後に、MSTによる通行料金所の占拠が起きた。州議会前では同時に、州知事を支援するグループがトラックを多数連ねてデモを行った。
料金所ではMSTを支援するトラック運転手が、運動のために募金の寄付をしたといい、料金徴収企業(ABCR)は通行料金をMSTが着服したとして、裁判所へ告訴した。
パラナ州は農地改革でMSTの入植活動に軍警の出動を不要とする州知事案が、州議会で可決された。州知事の考えとMSTの計画が偶然に一致したのであって両者の協定ではないと、MST代表が述べた。
レキオン知事はMSTと専ら対話で解決し、州内で銃撃戦のような不祥事を起こしたくないと語った。さらに知事は州内の低所得層が全員、生活の糧を得られるように州内の農地を分配するとも公約した。
一方サンパウロ州コリーナ郡では、リベイロン・プレットを中心とする統一中央労組(CUT)系FERAESPの三百二十家族は二十四日、クエルシア元サンパウロ州知事が身体障害者協会へ提供した農場を占拠した。協会はこれまで同農場を放置していたので、無断入植者によって耕作されていた。FERAESPはすでに千八百家族が、十三カ所で小屋がけをして待機中だ。
全国でMSTによって占拠された農場は、ペルナンブーコ州が二十二カ所で最も多い。プラード農場にみるように、凶暴性を帯びた占拠活動だ。次がパラナ州の十八カ所、地主らがPCCにあやかってPCR(農村第一コマンド)を創立し、対決姿勢をみせている。
サンパウロ州は十三カ所。緊張が高まっているのは、プレジデンテ・エピタシオ近くのポンタル・ド・パラナパネマで後続も含め四千家族が待機している。ミナス州は八カ所、南マット・グロッソ州は七カ所。MSTが次に狙っているのは、文鮮明氏の四十六カ所にわたる広大な農場だ。
ルーラ大統領は、MSTには慌て者が多いとしかった。大統領に就任してまだ五カ月、失政のないように慎重を期し、多くを学んでいると述べた。指が九本しかないのに、十まで数えられるようになったという。
大統領はMSTメンバーに、慌ててフェイジョンを植えて十日で収穫しようと思っても無駄だといった。フェイジョンを収穫するために、九十日を待たねばならない。農地改革も同じで、物事は人間の準備に準じるもので、人間の勝手にはならないと諭した。