6月27日(金)
ブラジル日本文化協会の新執行部が発足して約三カ月。様々な引き継ぎ作業や委員会の改編などで、まだまだ実務に取り掛かれないのが現状。
実際、大変な作業であるし、副会長や理事たちは毎日のように事務局に顔を出している。
巷から聞く「(理事メンバーに)一世が少なくなった」との声もちらほら聞くが、文協の玄関、事務局でも代替わりが進んでいる。
七月末まで嘱託として引き継ぎ業務などを行う予定になっていた安立仙一前事務局長。しかし、体調が思わしくなく、一カ月前倒しして、事務局を去ることになった。
業務第一課の畑俊雄主任も七月一日で定年退職。高橋信恵主任は今月三十日から、二十日の休暇へ入る。
中野恵一前業務第二課主任もすでに定年退職しており、ベテラン職員たちが同時期に事務局を後にした。 中島剛事務局長は「大変ですが、みなさんに甘えず、早く仕事に慣れるのが先決」と冷静に対処している。
すでにほとんどの職員が二世や三世へ代替わり。もちろん、いい面もあれば、悪い面もあるのが物事の常。
言葉の問題がなくなることで、業務が迅速になるとも考えられるが、「文書などにおける日本語能力の低下が著しい」との批判もある今の文協。
これから移民百周年を迎えるにあたり、日本側との連絡は文協事務局、そしてコロニアにとって重要な仕事だ。あやしげな日本語では少々、都合が悪い。
なお、安立前事務局長によれば「今までの会議や改革委員会の提言書などの翻訳などは外部に発注していた」とのことだが、悪文でチンプンカンプンなものもあるのが実際のところ。
さらに式典などでの会長のあいさつなどは今まで安立前事務局長が準備してきたが、日本語の達者な中島事務局長も「時候などを入れた正式なあいさつ文を作るのは難しい。天皇誕生祝賀会などでは、何をどうするものなのか」と不安な顔を見せる。
もっともそれは事務局長の仕事である必要はない。日本語の重要性を感じている中島事務局長は「早々に日本語のできる職員を入れる予定」と話しているが、今までの式典や様々な事業などの資料を読める人が入っても、経験した人はいなくなる。ある意味、ゼロからの出発となってしまうし、以前と同じ轍を踏むこともあるだろう。
実際、事務方に大きな式典運営に関わった人がいないというのも、百周年祭を五年に前に控えた今から不安の材料となりそうだ。