6月28日(土)
[カンポ・グランデ]日本移民九十五周年の年、南マ州州都カンポ・グランデでは、日系の記念行事が目白押しだった。移民の日前後、多種のイベントで賑わった。
まず、六月八日、当地沖縄文化研究会(具志堅弘会長)の第三回発表会が行われた。会場は、国立南マ州大学構内の劇場。午後四時半開会。集まった一千余の観衆は、一世から四世までの門下生による、日ごろの練習で磨かれた舞踊、三線、太鼓の芸に感動した。
具志堅氏は、さえ子夫人とともに、郷土芸能愛好者で、野村流音楽協会の三線と、玉城流小太郎会のそれぞれの教師である。なお、南マットグロッソ州と沖縄県は、姉妹提携が結ばれ、十余年の交流が存続しているが、八〇年代に締結に尽力した氏は、大坪アキラ州議員とともに、姉妹州県生みの親であり、九九年、当市市制百周年記念祝典では、名誉市民権を受証している。
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カンポ・グランデ文協(木下パウロ会長)は、六月十五日午前十時から、移民九十五周年記念第二十一回カラオケ大会を開催した。大城勲カラオケ会長のもと、審査員、柳瀬正登、福地ツトム、山本時子、助坊寺スズ子、司会林ナイル・アケミ、安本ジオメデス、中馬パウロの構成で実行された。
十一のカテゴリアに分けて競演、各部の第一位は、上野アリサ、マリアナ・マサニ・ホメオ、山田アリニ・マユミ、柳瀬エリカ、中山厚、渡部ヨシノ、及川キヨ子、中馬マルコス・パウロ、古波津カミラ、中村カルロス・ケンジ、酒井エリカ・スミエ(敬称略)。
最年少の上野アリサちゃん(四つ)と最高齢の知花幸信さん(九〇)には特別賞、古波津ジョルジさんは努力賞を受賞した。なお、スペシアルの部、平良清子、及川イツオ、城倉カオリ、喜屋武ネルソン、岡村ミチさんらの美声で大会はお開きとなった。
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二十世紀初期、鉄道ノロエステ線の施設工事に従事した笠戸丸移民と、ペルーからアンデスを越え、たどり着いて合流した二十余人の日本人たちが、当地に住み着いた一九一三年から数えて、今年は九十周年を迎えた。
六月十八日午前九時半、当市の日系人たちは、文協主催により、会館で恒例の先駆者慰霊ミサを行った。日本から派遣され、当州で二十六年間つとめている小川満神父の司式ですすめられた。沖縄のフランシスコ姉妹会から来伯し、州都圏で活躍中の稲嶺、平良両イルマンが協力、先亡者を偲んでたくさんの日系人が参列した。
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六月十八日午後三時、カンポグランデ市議会は、日本移民の日を祝して、市に貢献したつぎの十五氏の日系人を特別表彰した。
井上セウソ・マサシ、金城平太、柘植二郎、島袋清則、小野オシロ・ネイデ、大城パウロ・清隆、知花ロナルド、蜷田セツ子、及川セツ子、平良玉茂、オリベイラ大田ベラ、大城ヤスオ、棚原照子、宮城ヨネ子、荒谷ヨシアキ。
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六月十九日午後七時半、南マ州州議会も日本移民九十五周年を祝って、州の発展に尽くしたつぎの日系人九氏を表彰した。
仲尾カルロス、栗田カルロス・シゲハル、エミコ川上・デ・レゼンデ、与那嶺ジュリオ・タカヒロ、渡辺ミルトン・トシカズ、林ナイル・アケミ、片山レナト、チエ東・ドス・サントス、源河吉春。
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六月二十二日、当市沖縄県人会(新城テツ会長)は、恒例のフェスタ・ジュニーナを開催した。移民九十五周年を祝う意味で、ダンス・ジュニーナと沖縄色たっぷりの豊年踊り(エイサー)を百人余の男女で踊り、賑わった。当会の文化担当理事は祖慶薫、福地ツトム、芸指導員は宮城ヨネ子、棚原照子、大城繁信、屋富祖正一、祖堅イルトンのみなさんである。
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西村武人・全伯山口県人会長が、六月二十五日午前九時、バルゼア・アレグレ移住地(酒井正義村長)を訪問のため、当地空港に着いた。
同移住地は、当市から四十五キロ。一九五九年、最初の移民が日本から入植した。六二年には新来移民だけで産業組合(金崎英司理事長)を設立。今年は組合本部前に選卵所の建設が行われていたが、このたび完成、二十六日、その落成式が行われた。(勝連ひろし通信員)