6月28日(土)
亜日本文化財団(コサカ・カズモリ会長)は七日午前十時から、市内パレルモ地区にある日本庭園で「第一回秋祭り」を開催した。
晴天も手伝ってか、関係者の予想を大きく上回る二千五百人以上の来場者を迎え、ポルテーニョ(ブエノスアイレスっ子)たちが、日本文化に触れる一日となった。
茶道や空手、太鼓など一般的に知られた日本の伝統芸能などに加え、目立ったのは日系、韓国系などのDJによるテクノ音楽など。 さらにアルゼンチン人バンドによる日本アニメ音楽の演奏も人気を集めた。
同庭園のコーディネーターを務める岸本綾子さんによれば「(コサカ会長などの)理事たちは若者たちの興味を引きつけるイベント作りを意識している」という。
二〇〇一年に会長に就任したコサカ会長は日本文化をアルゼンチンに広めることに積極的で、各季節に行う祭りの開催やイベントを多数企画している。
今後の予定としては七月には「日本食祭り」、八月には『どんど』(一月十五日の少正月に門松やしめ縄を集めて焚く火祭)なども行う「冬祭り」、十一月には「盆栽祭り」や「春祭り」と目白押しだ。
動物園や植物園、公園なども多い閑静な高級住宅街パレルモ地区に日本庭園はある。広い敷地内には、美味しい日本食が食べられると評判のレストランや相撲や空手などの演武を行う野外道場、移民の碑もある。
数百の色とりどりの錦鯉が泳ぐ池には、橋がかけられており、家族連れや恋人同士の姿が多く見られる。 石灯篭や松なども随所に見られ、日本情緒溢れる景観は市民を異文化の旅へと誘うだろう。
前出の岸本コーディネーターは「ブラジルなどに公演などに訪れる日本のアーティストや音楽家にも、もっとアルゼンチンにも立ち寄ってもらえるよう、これから交渉していくつもり。アルゼンチン人の日本文化に対する興味は高く、(両者共に)きっと喜んでもらえるはず」とその意気込みを話す。
この南米最大の日本庭園、ブエノスアイレス市民にとっては、誰もが一度は訪れたことがある場所だという。この市民の憩いの場がイベントなどを通じ、さらに日本文化を知る場所と発展していくことを祈りたい。
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ブエノスアイレス日本庭園は六七年に皇太子殿下(現天皇陛下)が初来亜された時にイナウグラソンを行っている。その後、茶室の建築や庭園の整備を重ね、現在の形になった。九八年には天皇陛下や故高円宮殿下を迎え、様々なイベントを催した。
(堀江剛司記者)
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