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サンパウロ州を捨てる住民36%増加=就職難で生活に失望=ミナス、北東部へ〝再移住〟

7月1日(火)

 【アゴーラ紙二十八日】一九九五年~二〇〇〇年の五年間にサンパウロ州から他州へ移住したサンパウロ州民数が、八五年~九〇年の五年間と比べて三六・四%増加したことが、ブラジル地理統計院(IBGE)国勢調査の分析で明らかになった。同期、サンパウロ州の人口は一七%増えている。
 九五~〇〇年にサンパウロ州を後にしたサンパウロ州民は八十八万四千人おり、うち四一%の出生地がサンパウロ州だという。
 同期のサンパウロ州民の移住先は次の通り。
 ▼一位、ミナス・ジェライス州(二十万二千人)。▼二位、バイア州(十万六千人)。▼三位、ペルナンブーコ州(五万八千人)。▼四位、セアラー州(五万三千人)。▼五位、リオデジャネイロ州(四万五千人)。
 逆にサンパウロ州に移住してくる人々の数は減少している。九一年と〇〇年の国勢調査のデータを比較すると、サンパウロ州への移住者数は一二%減ったことが分かる。だが、実際の人数では、いまだにサンパウロ州への移住者数(百二十万人)の方がサンパウロ州から流出する人数(八十八万四千人)より多い。
 サンパウロ州へ来る移住者の出生地は、サンパウロ州民の主な移住先と一致している。九五~〇〇年に最もサンパウロ州へ移住者を送った州は次の通り。
 ▼一位、バイア州(二十七万七千人)。▼二位、ペルナンブーコ州とパラナ州(それぞれ十三万一千人)。▼三位、セアラー州(六万六千人)。
 IBGEのアントニオ・ガルセス氏によると、移住者の流出・流入は関係があると指摘。「サンパウロへ行く移住者は、生活が良くなると信じて故郷を後にする。だが就職難に見舞われたり、せっかく雇われても下働きのような悪い仕事だったりなど、満足できる生活がなかなかできない。その上解雇されて失業に苦しむケースもあり、失望して自分の故郷へ帰っていく人々が多数いる」と説明している。
 サンパウロ大学(USP)地理学部のレイア・フランシスコーネ教授は、サンパウロ州から他州へ行く人々の中にサンパウロ州出身者が四一%もいる理由の一つとして、「移住者の子供としてサンパウロ州で生まれた人が、失望した両親とともに両親の故郷へ帰る」ことを挙げている。
 また、昔のように工場がサンパウロ州一カ所に集中することが少なくなったことも一因だと考えられる。サンパウロ州から他州へ移る移住者の平均年齢は二十七・五歳、学歴は低いという。