7月1日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】今年末までに、所得税改正により発生した勤続年限保障基金(FGTS)の差額支払い分、所得税(IR)還付、一九・七一%の年金調整で捻出された資金約二百億レアルが市場に還流される。初めのうち消費者らはこの資金の一部を借金返済や貯蓄に回すが、後にローン払いでの商品購入に回し、経済の刺激に貢献すると期待されている。
約二千百万人の年金生活者が毎月十五億レアル、年末までに九十億レアルを懐にする。「年金生活者の状況が非常に悪化しているので、こうした資金はまず薬品や食品などの最低必需品の購入に向かい、経済を潤す」とLCAコンサルタントのエコノミストはみる。
連邦カイシャ・エコノミカによると、FGTSの差額支払い分により約七十億レアルが十二月までに、年間で百億レアルが市場に流入する。所得税還付は総額五十億レアルとされ、六月にそのうちの十億レアルが還付された。
今年後半には金属工業、銀行、化学工業といった主要部門の給与交渉が予定され、過去のインフレ損失分の埋め合わせに一七%から一八%の給与調整が行われると予想されており、可処分所得の増加が消費傾向を強める。政府による小口融資の簡素化も耐久消費財の購入を促す要因となる。
年末までに六%の低下が期待される基本金利(Selic・現在二六%)も経済効果が見込まれているが、「基本金利の漸進的低下は二〇〇四年にはじめて経済効果をもたらす」とサンパウロ州商業連盟の経済担当者は話している。