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州財政の規制緩和=政府 改革支援で知事と取引

7月2日(水)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙一日】ルーラ大統領は六月三十日、年金改革への支援と引き換えに州知事らと財政法規制を緩和することで取引をした。年金改革が下院法制委員会の表決で可決に至らなかったため、同案は州知事らの審議に回されていた。
 改革案の争点となっている年金上限と定年退職者からの負担金徴収で、政府は州知事の支援を取り付けた。見返りに、州歳入の二〇%を医療予算と教育予算に振り分ける義務を解除した。
 また税制改革の州と市の税収減とカンジル法で一次産品と半加工品の輸出に対する免税から生じる税収減を補充するため、五十七億レアルに上る保障基金制度を設けた。保障金は、輸出工業製品の工業製品税(IPI)の一〇%と輸出入税の一部を基金とする。
 政府が徴収する新種納付金(CIDE)と小切手税(CPMF)の各州への分割法についても協議された。各州の輸出入格差額で受け取り優先順位を付ける案と絶対輸出額を優先する二案が、政府から出された。
 大統領は年金改革に向けた州知事らの合意を取り付けたが、まだ下院の法制委員会で起きた番狂わせを心配しているようだ。州知事の中には、年金改革は政府の独断的判断の面があり、州の意見を取り入れていないとする声もある。