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土地なし農民また騒動=街道封鎖し略奪行為=大統領に「農地改革急いで」 ペルナンブコ

7月3日(木)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二日】通称「土地なし農民」と呼ばれる農地占拠運動(MST)のメンバーらが一日、ペルナンブーコ州の一州道を封鎖してトラック四台を止め、運転手四人を人質にとる騒動を起こした。MSTはまた、パスタとビスケットを運んでいたトラックの積荷を略奪している。
 MSTの州道封鎖騒ぎは、同州ゴイアーナ市内州道PE62号線(レシフェ市から八十キロ)で起きた。三カ所のキャンプで生活している約九十人の農民たちが参加した。
 MST側は、飢餓ゼロ計画で六月に渡すと約束していたセスタ・バージカ(食料品バスケット)千五百セットを、政府はいまだに届けていないと主張。MST地方リーダーのルイーザ・F・シウヴァさん(四一)は、「連邦政府が農地改革をするまで、高速道路を封鎖し続ける。我々が飢え死にしないように」と訴えた。
 シウヴァさんは、トラック略奪計画の提案者の一人。計画は一日未明に実行に入った。道路の見張り役の第一グループ(約十三人)が、木片を使って道路を封鎖。第二グループ(約十人)は、サトウキビ畑に隠れ、停まったトラックを突然襲い、運転手を引きずり出す。第三グループは、人質やトラックの見張り番とした。
 農民たちは大鎌や山刀を振りかざし、トラック五台に襲い掛かった。四台の運転手は人質としてとられたが、一台は木片の上を無理やり通って逃げ切った。トラックから略奪したパスタ九千六百七十五キロとビスケット二百七十二キロは、ムスンブー・キャンプで農民たちの昼食として振舞われた。
 一方MSTのリーダー、ジョアン・P・エステージレさんは二日、ルーラ大統領にMSTの要求事項を載せたリストを渡した。一日も早く農地改革を行い、現政権が交代する前に全国にいる百万家族に土地を与えるよう、強調した。
 MST幹部二十九人とルーラ大統領の会談は同日午前、プラナウト宮で行われた。国内各地で発生している農場占拠や道路封鎖、貨物略奪という緊張した雰囲気はなく、友好的に会談は進んだ。MSTはルーラ大統領への期待を表明した。
 要求事項には、全国でキャンプしている十二万家族に今すぐ土地を与えること、国立植民農地改革院(Incra)の強化、農地税(ITR)の徴収権利を連邦政府のみに託す、環境破壊や農民の奴隷的労働を強いる農場の土地権を奪う、などが掲載されていた。