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対伯軍事支援も停止=米、「刑事罰」で47ヵ国に報復

7月3日(木)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二日】米国政府は一日、国際刑事裁判所(TPI)で刑事罰を受ける可能性のある米兵や米国の職員を米国に引き渡す相互協定に署名しない四十七カ国に対し、報復措置として約四千七百六十万ドルに上る軍事支援を停止した。四十七カ国の中には、ブラジル、コロンビア、北大西洋条約機構(NATO)に加盟予定の欧州六カ国が含まれる。
 米国の軍事支援は同盟国軍隊の教育・訓練や米国製兵器購入のための融資などで、同支援の停止は数カ月前に米国議会で決定された。米国政府は米国人が関係する犯罪を国際法廷に持ち込み、米国人を同法廷に引き渡すことを禁じる、第九十八条として知られる相互協定の締結を進めてきた。米国は九八年にTPI設立条約に署名したが、ブッシュ大統領は〇二年にTPIから脱退した。
 ブラジル政府は米国の報復措置発表後にもかかわらず、TPIに告訴された米国民に特権を与える米国の協定はローマ条約(TPIの根幹である)の精神に反し、国家の司法的平等を侵害するため、同協定には署名しないことを明らかにした。ブラジル外務省は一日、同内容を記した文書を発表した。また同文書には、ブラジル政府はローマ条約に規定された義務に逆らうことはできないとも記されている。
 外務省は、米国からブラジルへの軍事支援は現在少ないので、米国の報復措置は大した影響を及ぼさないと発表している。十月以降唯一の、米国との軍事共同プログラムが取り消される。また年間五〇万ドルを費やす米国内でのブラジル兵の訓練も停止されると米国大使館は述べた。ヴィエーガス国防相は「米国の軍事支援はない。従って何も変わらない」と発言した。