警察官汚職の内幕に迫る=告発は氷山の一角=最高幹部の完全隔離を
7月3日(木)
【イスト・エー誌】連邦警察のパウロ・ラセルダ警視総監は、組織犯罪の対策には警察官の汚職対策から始めなければならないと述懐した。警察官の犯罪ほう助がなければ、犯罪組織も存在しないという。年々凶悪化される犯罪組織に対し無力化する政府機関の機能回復のために、ブラジルの組織犯罪の実態を警視総監に語ってもらった。
[犯罪組織が都市ゲリラ化したのは]リオの場合、マスコミが事件をあおった。マスコミが事件に尾ひれを付け、組織が真に受けて反応する。組織のメンバーが、威嚇のためホテルに向けて発砲した。翌日、新聞にトップ記事で〃グロリア・ホテルに銃撃〃と報道する。犯罪組織は市民を脅えさせるのが目的だから、新聞報道は思うツボだ。
[麻薬組織の考え方]組織の幹部Aが殺され、首が市の目抜き通りに投げ捨てられた。Bが後任に就いた。話は面白そうだが、実際は茶番劇だ。彼らは目立ちたがり屋で、組織の中で格好を付けたいのだ。これで英雄扱いだ。
[麻薬組織の大元締めの存在]コロンビアのパブロ・エスコバル級の人物は、ブラジルにまだいない。ベイラ=マールは、ずっと小物。コロンビアに乗り込んで革命軍に渡りをつけ、麻薬と武器の交換コネクッションを築いたことで多少の商才があったようだ。レオナルド・D・メンドンサはベイラ=マールのボスで、彼を革命軍に引き合わせた。
[麻薬組織の中心人物と処置]麻薬組織は人材に不足しない。幹部が殺害されても後任は多数おり、士気が衰えることはない。幹部は拘束して隔離し、気長に組織図と取引法を吐かせることだ。芋づる式に幹部をはめ込んでいくことだ。
[ベイラ=マールの行方]
現在、国内で最も隔離設備が整っているプレジデンテ・ベルナルデス刑務所に、他の組織の最高幹部らとともにいる。麻薬組織との連絡を完全に遮断して、残る組織に平行組織を造らせる。
泳がせているのだ。このような変成組織は、長い目でみると内部崩壊する。
[組織の中心人物がほとんど拘束されて、次は]刑務所のシステムが問題だ。現行システムは、現実に対処していない。新政権で初めて泥縄式だが、完全隔離方式の連邦刑務所を造っている。当国には法務省や最高裁、検察庁、連邦警察がありながら、連邦刑務所と連邦未決刑務所がなかった。基礎のない建物のようだ。
[警察官汚職の影響]警察組織の中に浸透している警察官と犯罪組織の馴れ合い関係は、世界共通の問題だ。警察の最下部から上層部に至るまで汚染している。「優秀なスパイは、二重スパイだ」といわれるように、組織内偵には手ぶらで行かれないから土産を持って行く。持っていた土産と持ち帰った土産を比較して、忠誠度を測る。警察官は危険と背中合わせの仕事だ。同僚の警察官が自分の秘密を知ると、銃撃戦のとき故意に援護射撃を怠り同僚を死に至らせる。口封じだ。汚職警察官は、敵か味方か分からない。
[政治家や裁判官も、組織に汚染されているというが]立件された範囲でしか発言できないが、政治家や裁判官が検察庁の告発で失脚したのは、氷山の一角だ。