7月3日(木)
【エポカ誌】旧パラナ州立銀行ニューヨーク支店を根城に行われた不正送金を調査していた下院CPIは六月十五日、米検察庁による銀行口座の開示拒否で肩すかしを食った。ジルセウ官房長官はPTのCPI委員に一次休戦を提案し、年金改革に専念する。
連邦警察の報告では、不正送金は当初の三百億ドルから六百億ドルに膨れ上がり、想像以上に大規模であることが注目されている。ブラックリストに載っている名前は、ジョゼ・セーラ元保健相、パウロ・マルフ元市長、セウソ・ピッタ前市長、ルイス・A・フレウリ下議、ロブソン・トゥーマ下議、ジョルジェ・ボルンハウセン上議などだ。
国内を出る時の送金手続きは、法的に問題はない。ただ米捜査機関の報告書に、これらの名前が記載された。ボルンハウセン上議の場合、資金は旧パラナ銀ニューヨーク支店へ送金した後、タックス・ヘイブンのオフショア(為替や税制規制の少ない地域での金融業務)市場をはいかいして、旧パラナ銀行ニューヨーク支店にたどり着いている。
本人は、送金のことを全く知らないと否定した。同上議の弟パウロ氏が兄の名前で送金し、最終的にはブラジル銀行のパウロ氏の口座に入金したようだ。同上議の送金については、ブリンデイロ検事総長が不正送金を立件できないとして捜査を取り下げた。
送金手続きを行ったのは、英領バージン島に本店を持つサンフォックス社。同上議名義の口座にあった預金九千三百四十万ドルを旧パラナ銀ニューヨーク支店へ送金。その後ヴァージン島を多数の偽名口座でグルグル回って洗浄後、また同銀へ再度入金された。
連邦警察は、秘密裏に各議員に事情聴取を行った。その中でマルフ元市長は、OASとメンデス・ジュニオル建設会社から、アグア・エスプライアダ通りの工事で水増し請求の見返りとして四千万ドルを受け取ったことが判明した。
ピッタ前市長の場合は、ヴァグネル・ラモス容疑者が市会計の係争中債務に公金横領のシステムを構築した。CPI委員のメンバーであるロブソン・トゥーマ下議も米当局のブラックリストに名を連ねている。本人は黙秘権を行使した。
ジョゼ・セーラ元保健相は、旧パラナ銀の書類に名前が記載されていた。カンピナス在住の為替業者が元保健相の名義で一万五千六百ドルを送金したが、同氏にはカンピナス市で薬剤配給業を営む同名の兄弟がいる。元保健相は、人騒がせで無責任な連警の発言と憤慨している。
下院CPIは年金改革のほとぼりが冷めたころ、再開して事実関係を洗い直す予定だ。現時点では不正送金か正規の送金かも不確かだ。旧パラナ銀コネクションには、政治家のほかに公金横領と資金洗浄にかかわった無数の人間の名前がある。