7月3日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】ジェトゥリオ・ヴァルガス財団(FGV)が過去四年間、四十八都市で一万人の失業者に行った追跡調査によれば、離職者の二五%が独立自営業を営んでいることが判明した。
例えばエリクソンの管理職を二十九年務めて解雇されたジュリアノ・ベナッチ氏(四八)は現在、フリーのセールスマンとしてコンサルタント事務所を開業、再出発している。
四州が中堅労働者の再就職のために行った動向調査によれば、五五%は再就職で飛び回っている。二〇%は独立自営、五%は技能者組合の派遣勤務。解雇された中堅労働者のためにヨーロッパ方式を取り入れて、その経験を生かし安易な解雇を防ぐのが、四州調査の趣旨であった。
ヨーロッパ方式とは企業が十人以上の従業員を解雇する場合、九十日間は失業者に次の就職をあっせんする義務がある。人員整理を計画的に行えば、失業者の再就職先のあっせんも短期間で行えるはずだとFGVはいう。
地理統計院(IBGE)の統計に基づくと、十六最低賃金以上の中堅従業員が再就職できるのは、平均では七カ月から一年だ。十五最賃から七最賃クラスが平均で五カ月。六最賃クラスは、平均四カ月かかる。
特に一社のみに永年勤続した中堅社員にとって悲哀と幻滅は大きい。チリ紙を捨てるように解雇するよりは、永年勤めた会社が手を伸べてくれたら天の助けのようにうれしいことだ。
VW社を十五年勤続後、解雇されたモニカ・ロドリゲスさんは、手芸で生計を営む。VW社の紹介で大量注文を受け、企業経営の道が開かれた。VW時代の給与にはまだ及ばないが、明るい未来があるという。