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高性能の洗卵選別工場=バルゼア・アレグレ産組に

7月3日(木)

 バルゼア・アレグレ産業組合(金崎英司理事長)が昨年より、テレーノス市(カンポ・グランデ市より六十キロ)のバルゼア・アレグレ移住地に建設してきた洗卵選別工場(千五百平方メートル)がこのほど完成、竣工式が六月二十六日午後五時から、同工場で開かれた。関係者など約四百人が出席、組合のさらなる発展を誓った。
 洗卵選別はこれまで、農家が手作業で行ってきたため、手間暇がかかっていた。機械化によって、効率的に仕事を進めることができるようになる。
 三台の装置が稼働。それぞれ、一時間に五十箱(三十ダース)詰める。生産能力は三台合計で一時間当たり百五十箱(四千五百ダース)になる。
 組合は一日当たり千―千五十箱の出荷を見込む。
 商品に均質性を持たせることができるのも、大きな特長の一つだ。細かいひびまで見分けられ、品質が向上する。
 逆に言えば、欠損品も増加する。これが、無駄になることはない。液卵に回すからだ。
 農家は肉眼で判断出来る範囲で、ひびの入った卵を取り除いていた。今後は、すべてを組合に持ち込むよう働きかける考えだ。
 液卵は洋菓子や麺の材料となる。フランスの業者がカンポ・グランデ周辺の液卵を輸入するため、準備を整えている。
 バルゼア・アレグレ産業組合も対仏輸出に向け、前向きに検討中だ。
 あいさつに立った金崎理事長は、「工場建設の構想は八〇年代からあったもの。二〇〇〇年に再浮上した。組合員、家族、職員たちの大きな力で実現することができた」と、関係者の労をねぎらった。
 その上で、「今後、新たな雇用を創出することも出来、卵の生産を通じて南マ州の発展に尽くすつもり」と述べ、地域社会への貢献を約した。
 アキラ・オツボ州議、クレミル・G・デ・ゴドイ・テレーノス副市長、ジョアン・アルベス・ボルゲス市議会議長ら多くの来賓が足を運んだ。
 式典中には、デモンストレーションも行われ、訪れた人は卵が選別、洗浄されていく過程を興味深く観察していた。