7月3日(木)
法廷の場に持ち込まれた福岡県人会(渡部一誠会長)のお家騒動。予審入りから一カ月がたった六月二十四日、本裁判が始まった。渡部会長が「県人会運営の邪魔をしている」などとして、顧問・相談役ら改革派四人を訴えている問題はいよいよ司法的見地から本格的に争われることになる。
一日夜、北海道県人会で行われた県連主催『フェスチバル・ド・ジャポン』の発表会に出席した渡部会長は「任期はまっとうできるはず」と楽観視。
騒動の発端となった県からの農業実習生受け入れ休止問題については、「来年から再開される」と語った。
これに対し、告訴されている改革派幹部は「会長にはやめてもらう」といぜん主張を曲げないでいる。
県人会と協力し、和太鼓の普及事業を進めるJICAサンパウロ支所でも、このお家騒動の行方が懸念材料だ。
六月三十日、小松雹玄支所長は渡部会長ら県人会幹部六人と会談。「県人会との契約は二年。来年七月まで残っている。まとまってもらわないと困る」と和解をうながし、「今月、指導者の小田和久さん(JICAシニアボランティア)が一時帰国する。それまでには」と注文をつけた。
今月、県人会は県から副知事を団長とする四十一人の使節団(県議五人を含む)を迎える。一日は移住家族会の四人が、県内で募集を呼びかけた結果集まった鯉のぼりの一部を手土産に来伯した。後続の使節団が持参するものと合わせて約千枚の鯉のぼりが届くという。
「日本からお客さんが来るのに、ケンカしていてはまずいから」と、改革派幹部はこの一カ月間は休戦の構えもみせる。