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消費者物価 下降傾向示す=肌で感じるデフレ=店頭に安い商品並ぶ

7月4日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・オンライン三日】物価指数で記録されたデフレがやっと、消費者の財布にも感じられるようになった。店頭に並ぶ商品も少しずつ値下げされている。特に過去数カ月間にドル高で値上げした商品に差が出ている。また、消費者の購買力が失われ売り上げが下がったことも、メーカーと小売業者の交渉での価格低下につながっている。
 ハイパーマーケット・カレフールは、米、フェイジョン、大豆オイルの価格を一八~二六%下げた。また冬休み期間中は、掛け買いの利息も減少した。一方ライバルのポン・デ・アスーカル・グループは先週、食料品のほかに清掃製品も値下げ。同グループのエストラは対抗策としてパソコンの特売を実施中。
 USP付属経済研究所(Fipe)は三日、サンパウロ市の最低賃金二十倍までの家族を対象とした消費者物価指数(IPC)を発表した。六月はデフレ〇・一六%を記録し、〇〇年二月以来の最低率となった。五月はインフレ〇・三一%となったが、先週インフレはほとんどゼロに近い〇・〇九%まで下がっていた。
 だがFipeは同時に、電話料金や電気使用料、通行料などの値上げによる反動で、七月と八月はインフレ傾向になるとの見通しも発表した。反面、政府が主要経済指標とするブラジル地理統計院(IBGE)の消費者物価指数で、六月のデフレ傾向が確証されれば、政府が金利を大幅に下げる可能性が高い。
 過去三十日間にFipeが調査した、デフレによる物価の値下げ状況は次の通り。食料品類、マイナス一・三五%。交通部門、マイナス〇・九五%。衣類、マイナス一・〇九%。保健部門、〇・八一%。住居部門、〇・四七%。個人経費、〇・二三%。教育費、〇・二二%。
 ジェトゥーリオ・ヴァルガス財団(FGV)が計算する週間消費者物価指数(IPC-S)によれば、五月二十三日から六月二十三日までにマイナス〇・〇三%を記録した。
 一月からデフレ傾向は記録されていたが、これまでは卸売市場でしか価格の差は表れていなかった。対象者の六〇%が卸売業者であるFGVの総合市場物価指数(IGP-M)は六月、マイナス一%を記録。五月にはマイナス〇・二六%で、二カ月連続でデフレ傾向が表面化した。
 労組間社会経済調査・統計所(Dieese)も同日、生計費指数(ICV)によるサンパウロ市の六月のインフレ率をマイナス〇・二六%と発表。一九九八年十一月のマイナス〇・三四%以来の最低率となった。