イベント(催し)への参加者数など、数字に関することを主催者団体から聞いたとき、あれッと首をかしげることがある。催しの盛況ぶりをおおげさに人に伝えたいがために、〃水増し〃して人数を公表した場合である。実数より少ない発表はなく、ほとんどが多い。度が過ぎると「ウソ」になる▼記者が催しの現場にいれば、たとえ、主催者が、実際より大きな数字を言っても「それは違うでしょう」といえる。数え切れなけれは、妥当に調整して、真実に近い数字を記事にすることができる▼日本の新聞は、メーデーの集会など、多勢の人を動員した催しがあった場合「主催者発表」「当局(警察)発表」を紙面で使い分ける。やはりいつも主催者発表のほうが、人数が多い▼ラジオ体操連盟は、このところ、毎年「一万人体操」を催している。今年は、慈善を冠し、参加者から寄付金を募り、それを福祉団体に寄付した。一万人体操といっても、一万人集まるわけではない。この場合、大規模な体操大会に名付けた固有名詞として、それが、たとえ、一千人参加であったとしても、とがめられない▼新聞記事は、数字が大切で、いつも事実に限りなく近い数字を読者に伝えようとつとめている。だが、実際に数えられない人数になると、概数でいくしかない。記者が催しを直接取材していないときは、主催者に聞くよりほかに方法がない。そこで、より正確な数字がほしい。あまり掛け離れた数字だと、人が信じなくなる。 (神)
03/07/04