7月8日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙】網膜の疾患で失明した目の不自由な人たちに、網膜の組織培養が福音をもたらしている。
ジウド・フジイ教授はブラジルの眼科医を代表して、南カリフォルニア大学医学部の網膜移植プロジェクトに参加した。プロジェクト主任は同大のフマユン教授が担当、フジイ教授が移植手術担当で執刀した。移植手術は、三人の患者に実験的に施された。
患者たちは自分で電気スタンドを点じ闇の中の光を認識し、机の上の皿とコーヒーコップの形を認識できたことで成功と見なしている。網膜の組織培養は十三年前から、フユマン教授がバルチモア市のジョンホプキンス大学で試行錯誤を繰り返しながら行っていた。
フユマン教授は二〇〇一年、十六枚のダイオードを組み合わせた眼鏡の助けを借りて組織培養された網膜の実用実験を行い、米衛生局から認証された。しかし患者に見える映像はテレビのような平面画像で、健常者の眼球のように百万個の視神経が見ているような立体画像ではなかった。
組織培養網膜は、全ての目の不自由な人に利用可能ではない。糖尿病患者のようにガラス体が濁り視力低下しても、視神経が正常で血液が循環していなければならない。
昨年二月に網膜移植を受けた患者第一号は色彩を認識する網膜に疾患があった。第二号は七月、第三号が今年三月に移植手術を行い異物感はないという。網膜の移植手術は、まだ実験段階で短期間に交換する必要がある。次回の移植手術では、長期間使用可能な網膜を移植する予定という。