7月8日(火)
日系ブラジル人、マイホームの夢を日本で実現――。現在、多くの出稼ぎ労働者が日本で就労しているが、賃貸アパートの家賃が高いことや自宅に気兼ねなく友人を呼びたいなどの理由から、静岡県や愛知県などにアパートや一戸建住宅を購入する日系人が増えている。夢のマイホームを購入した日系ブラジル人の体験談を六月二十八日付、インターナショナル・プレス紙が報じている。
神奈川県厚木市在住、自営業のジョアン・カヨ・ムネヒロさん(三九)はアパート二戸を所有。一つ目のアパートは八十六平方メートルで厚木駅から五分に立地、三十年ローンで三千八百万円になった。頭金は八百万円。共益費、駐車場を別にして毎月九万円を支払っている。同県横浜市にある二戸目のアパートは、合計二千八百万円。ムネヒロさんは、「不動産の所有は市場での信頼がより強固になり、事業拡大に有利。また、財産にもなる」としている。
静岡県富士市のミルトン・ショヨイチ・クロキさん(四〇)は自宅に友人を呼んだり、大声で話したりできる自由を求めて、近隣に他の家がない庭付きの家屋を切望。不動産業者はクロキさんに、角地で八台分の駐車場付き、近所は遠く離れ、総面積三百四十三平方メートルの一戸建を紹介した。クロキさんは「いまは誰に迷惑をかけることなくシュラスコを楽しんでいる」と話す。
クロキさんが驚いたのは、日本の金融機関の利便性。一週間のうちに、銀行が不動産業者から送付された貸付願書を承認、「保証人は東京の保険会社が五十万円で請け負ってくれた」という。返済ローンは二千六百四十万円を、交渉して二千三百八十万円にディスコント。昨年九月、家の鍵を手にする前、クロキさんは保険会社、不動産業者、銀行の面接を受け、将来、返済できなくなった場合、息子のディエゴさん(一五)が支払うことで話を付けた。
エドゥアルド・ナカムラさん(三五)と妻のサンドラさん(三四)は愛知県豊田市に一戸建を購入した。夫婦が以前、入居していた賃貸アパートは、家賃が月に約八万円。しかし、いまは六万四千円余り。「前より支出が少なく、しかも、『私たちのもの』のために払っている」とナカムラさんはいう。
ナカムラさんによると、家を買うためには事前調査が不可欠。交渉に積極的で、契約に関する全てのデータを提供してくれる不動産業者を探すことが重要としている。また、複数の不動産業者に相談し、多くの見積書を請求するといいという。