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11人が元気に着任=JICAシニアボランティア

7月8日(火)

 JICAの日系社会シニア・ボランティア十一人が三日、ブラジルに着任した。そのうちサンパウロ支所管轄地域に赴任する七人が同日、同所で記者会見を行ない、今後二年間の抱負を語った。
 今年の同ボランティアは中南米全体で二十四人。サンパウロ管内には井上由巳子さん(六一、日語教育、ノロエステ連合文協)、浄土信之さん(五六、同、南麻州文連)、福井たかよさん(四九、同、聖南西文体連)、安達正子さん(六〇、社会福祉、ブラジル日系老ク連)、浦田昌寛さん(五五、農業、サンパウロ州柿生産者協会)、阿部司さん(六四、ソフトボール、ブラジル野球ソフトボール連盟)、真砂睦さん(六一、業務調整、JICA聖支所)、ブラジリア管内には牧岡信宏さん(日語教育、ゴイアス日伯協)、寺岡直さん(同、リオ州日伯文連)、小栗誠治さん(同、バイーア日伯文協連)、ベレーン管内には鷹取篤さん(同、北伯日語普及センター)が赴任した。
 今回、初め来伯した安達さんは三年前、北米で福祉研修を体験。「人間らしく生きる」という自己信条のもと、「お年寄りと共感して共に語り合い、生きる喜びを確認し合いたい」と語った。浦田さんは〇〇年から二年間、同ボランティアとしてアルゼンチンに赴任したことがあり、「今までの経験を活かしたい」と述べた。浄土さんは文化交流の材料として山車(だし)の模型や富山県のコキリコ(楽器の一種)などを持参、「日本語を通じたふれあいが楽しみ」と微笑んだ。
 十代後半に四年間ブラジルに滞在、厚生省外郭団体・日系人雇用サービスセンター勤務など、日系人とのつながりが多くあった井上さんは、「出稼ぎ問題もからめ、子弟の教育が大切」とし、「言葉は心を通じ合わせる。日本語のおもしろさ、素晴らしさを紹介したい」と意欲的。現役時代はピッチャーでならした阿部さんは、「審判員の技術向上、ルール理解に努めたい。長い目で見て、指導者の育成ができれば」とした。