7月9日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】サンパウロ州法務局民政課のモラエス局長は七日、ポンタル・デ・パラナパネーマ地方の農地占拠運動(MST)メンバーへの医療サービスを拒否した市と小屋がけを禁じた市へ行政指導の介入をする旨勧告した。同地方の市長二十一人は八日、同局長と会合しMSTへの医療、教育、給水のための特別出費として緊急援助を要求した。最寄りの市はMSTの大挙訪問で薬品の在庫不足を理由に保健所を閉鎖したり、市街地近辺の小屋がけを禁じた。
続々到着するMSTの増員で、小屋がけが日に日に膨張、ポンタル・デ・パラナパネーマ地方の市長らは異常事態を憂慮している。同地方のピニェイロ連合会長は、どの市役所も財政責任法の枠があり、招かれざる客の応対費用の持ち合わせはないと抗弁した。
MSTキャンプは、プレジデンテ・エピタシオ市、サンドバリーナ市、ロザナ市、マラバ・パウリスタ市にわたる国道沿いにまたがっている。サンパウロ州法務局は、MSTの医療受け付けを拒否したサンドバリーナ市とキャンプ設置を禁止したプレジデンテ・エピタシオ市に介入を発令した。
市長らは、思想も習慣も異なるMSTグループの飛び入り客に困惑している。不公平な取り扱いをするつもりはないが、保健所は大挙押しかけた予期しない訪問者を薬品も人員も応対する余裕がないと、市は受け付けを断った。
州政府が行政指導で実力行使するなら、市庁を全面閉鎖して州政府へ返還すると市長らは宣言した。これらの市は、イナゴの大群のようにMSTメンバーが市の施設へ押し寄せ、市の機能は停止し従来の市民を応対することも不可能と抗議している。
サンパウロ州検察局のマレイ長官は、MSTの受け付け拒否した市へ実態調査のために、特別捜査班を送ると述べた。市施設の市民応対拒否は違法行為だという。プレジデンテ・プルデンテ裁判所から検察官四人が、責任者解明のために派遣される予定だ。検察庁の検事総長も同意見のようだ。
ほかにプレジデンテ・エピタシオ裁判所検察官、ピラポジニョ裁判所検察官も同道して、地主らの雇い兵と装備した銃器類の実態も調査する。サンパウロ州法務局は、ポンタル地方のMST対地主連合の対立状態や公有地への不法占拠に検察庁の捜査介入を要請した。
またサンパウロ州法務局は、MSTの中に、マット・グロッソ州やパラナ州から特別招待を受けた不審な人物が多数、給料と食料をあてがわれて紛れ混んでいることも察知している。
ペルナンブッコ州ではMSTが七日、さらにカルアルで二カ所の農場を占拠した。これで五日間で七カ所、全部で三十五カ所の農場を占拠、三千世帯が活動に参加している。