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農拓協調査=全伯に3万3000農家=穀物・野菜が主産物

7月11日(金)

 ブラジル農業拓殖協同組合中央会(農拓協・原林平会長)は八日に記者会見を開き、日系農業者に関する実態調査の中間報告を行った。
 発表されたのは「日系農業者編」で、ブラジル国内二十七州のうち、サンパウロ、パラナ、マット・グロッソ・ド・スール各州など日系人の多い十一州が対象となっている(別表参照)。
 国内の七、八割を占めるというサンパウロ州の農業者数は、二万四一三八人で、パラナ州の二六一三人がそれに次いでいる。(各農業者の自主申告による)営農面積は十万五六九三ヘクタール。
 農拓協は昨年八月から実態調査を実施しており、今回の調査結果は一年間の成果といえる。四月には、ブラジル国内に日系農協が六十あることをすでに報告するなど(本紙四月八日付)調査は順調に進んでいるようだ。 
 この事業はこれからも継続して行われる予定で、「日系農業者編」終了後は、農地面積や生産物などの調査も重ねて行っていく考えだという。
 近藤四郎審議理事は「これからも実態調査を続けるなかで、農家や農協とのつながりを築いていきたい」と強調する。
 農拓協は南米日系農業協同組合連絡協議会の事務局として活動していくことが決まっており、これから各農協との連携強化を図るうえでも、調査活動自体が非常に重要ともいえるだろう。 
 現時点での営農形態や面積などもおおまかながら調査が進んでおり、穀物類、野菜類、畜産が上位三形態を占めている。日系ならではの「いぐさ」や丁字などの栽培なども見られる。
 原会長は「百周年までにブラジル日系農業の全体を把握できるようなデータ作りができれば」と話している。