7月12日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】中毒事故が十年間で二倍以上に跳ね上がった。事故の犠牲者の多くは五歳以下の子どもたちで、家庭用医薬品や洗剤などをいじった後に飲み込んで事故に遭うことが多い。
国立毒物・薬品情報センター(Sintox)の最新データによると、子供が犠牲になった事故は二〇〇〇年に発生した事故総数七万二千七百八十六件の二七・九%、二万二百八十三件を占める。九〇年の事故数は三万一千四百六十二件だった。同データは九つの州にある三十の中毒管理センターのデータに基づくので、ブラジル全国の事故件数はさらに膨れ上がると推測される。
両親や監督責任者が注意していれば、一部の事故と三十二人の子どもの死亡を防げたが、製品に事故防止ぶたがついていれば、事故の大部分は発生していなかったとされる。家庭用医薬品や化学製品の包装強化を定めた、法案第四千八百四十号は九四年以降、連邦下院議会で法制化手続きが行われ、各委員会を通過したが、九八年以降審議は中断されている。米国などの国々ですでに採用された法律例に基づいて同法案を提案したフェルドマン下議(PSDB=SP)は「こんなに大事な法案が生産業者らの圧力だけで議題からはずされているのは馬鹿げている」と審議中断を批判した。
Sintoxのボシュネル代表は、動物の形をした容器や甘い味がついた医薬品は子どもたちにとって危険だと警告する。「同じデザインの箱に入った子供用と成人用の鼻づまり防止薬がある。もし間違えたら、死に至りかねない」。
家庭内で必要な注意事項を挙げると、▼医薬品、洗剤、殺鼠剤は食べ物から遠ざけ、子どもの手に届かない場所に保管する。▼ペットボトルに灯油やガソリンを入れない。容器の代用は中身の確認を妨げ、治療の種類を特定できなくする。▼箱や容器を捨てる前に中身を捨てる。▼成人用と子供用の薬を混ぜない。
中毒を起こした場合、吐かせたり、水や牛乳を飲ませたりすることを医師らは勧めない。飲み込んだものの入れものを医師に見せることが大切。