7月12日(土)
【フォーリャ・レヴィスタ】失業中の友人や親類を、相手を傷付けることなく力づけることはできないか。リオ市で月給六百十レアルの清掃人募集に一万五千人が応募したことは、少なからぬショックを与えた。応募者の列に、多数の大学卒業者もいたからだ。
傷心の失業者を慰める提案を、次に列記してみる。
[失業者と共に暮らすとき] 一、なるべく明るい話題を選び、モラルの向上を助ける。会話の主人公にする。家の中は摩擦が起き易い雰囲気だから、口論にならないよう注意する。
二、金銭関係はできる限り控えめに助ける。恩を着せない。兄弟か義兄なら、子供の教育費を援助する。
三、仕事が見つかったかと、再々質問しないこと。本人にその気がないのに、職種変更を打診しない。
四、解雇の理由や過去のことをせんさくしない。「だから、いったじゃないか」「こうなると、私は知っていた」などの説教は避ける。
[失業中のあなたに助言]
一、何もしないより薄給でも働けば、否定思考がやむ。心が軽くなれば、次のチャンスが戸口まで来ているのだ。
二、泣き言をいわない。否定思考は動作を鈍くし、表情に出る。体から否定的エネルギーを発散する。
三、身だしなみに注意する。服装はモラルを向上する。テレビの前に座りこまない。敗北宣言と自己逃避の象徴だ。くしゃくしゃしたら、公園を走ってみる。
四、時間を持て余したら食べる。風呂に入る。めい想する。子供と遊ぶ。ふさいでいるときは誰にも会いたくないが、友人を訪ねてみる。
五、人生の見直しをする。解雇理由は、自分がよく知っているはずだ。どこの会社にでも通用するプロとしての完成を目指す。アマとプロの違いは紙一重だ。
六、経験を生かして、人生の歩み方を変えてみる。コンサルタント、顧問、講師、フリーランスなど。人生のメイクドラマを試みる。
七、守りから攻めの姿勢に変える。惨めさを振り払い、元上司、元部下、元同僚、学友、幼友達、先生、顧客、取引先などを訪ねる。誰か相談相手を紹介してくれる。
八、これまでの経験は、人生の準備期間。失業は熟成期間。やがて完熟期を迎える。完熟しないのは、経験が中途半端なのだ。否定思考の雑菌も入っている。
九、多国籍企業が、世界に人材を求めている。公募をしないからコネが必要。このレベルになると、失業という言葉は死語らしい。