7月12日(土)
ポルトガル語だけでなく文化背景も――。京都外国語大学でポルトガル語を学んだ青木義道さんがこのほど、「ポルトガル語文法の世界」を出版した。文法的な解説はもちろんのこと、日常会話に役立つ会話集や表現なども豊富に盛り込んだ。また、語学を学ぶだけでなくブラジル文化にも関心を持ってもらおうと音楽や風習、サッカーなどの情報も豊富に盛り込んだのが特徴だ。
大学の恩師に当たる田所清克教授との共著で、「今までにない文法書を」という同教授の提案で作成された。初心者から中級レベルまでの文法を、実践的な例文と共に解説。特に日常会話については青木さんがサンパウロ大学に留学した時期に得たネイティブスピーカーの友人らに、アドバイスや指摘を受けながら、より現実に即した形を収録、さらに付録のCDにも吹き込まれている。
「文法と会話、文化の融合を目指した」と青木さんが振り返るように、青木さんが専門とする民族音楽「コーコ」についても、現地アラゴアス州で現地取材。また、「社会学的に見たブラジルサッカー」をニッケイ新聞の下薗昌記記者が執筆した。
デカセギ子弟が多い滋賀県の高校でブラジル人と出会ったことから、ポルトガル語の道に進んだ青木さんは地元での教職を目指している。「今までお世話になった日伯両国の皆さんに恩返しするための第一歩です」と今回の出版を位置づけている。
国際語学社から2500円。