中世以降、欧州諸国による侵略から闘い続けた南米大陸。この地で「リベルタドーレス(解放者)」をその名に抱く大会は特別の意味を持つ。
四十年ぶりの栄冠に片手をかけながら、ボカ・ジュニオールスの前に、涙を飲んだサントス。
昨年以降、快進撃を続けた港町のクラブに、老若男女は熱狂した。
夢破れた二日夜のモルンビー競技場では、完敗を喫したにもかかわらずサポーターが荒れる場面に出くわさなかった。
帰り道に見たサンチスタたちの表情には、満足感さえ浮かんでいた。
試合の数日前に取材したかつての黄金時代を知る日系三世カネコさんの言葉が脳裏をよぎった。
「地道に若手を育てているサントスは正しい道を歩んでいるよ」
ジエゴ十八歳、ロビーニョ十九歳。
メニーノス(少年)たちの冒険は続く。(記)
03/07/12