7月15日(火)
【各紙スポーツ面十四日】バレーボールでオリンピック、世界大会に次いで重要なイベントであるワールドリーグの男子バレー決勝が十三日、マドリードで開催された。チェコを破り決勝に踊り出たブラジルは、セルビア・モンテネグロを下し、歴史的な同リーグ三回優勝を果たした。一万一千人の応援団で埋め尽くされたヴィスタレグレ体育館で、ベルナルド・レゼンデ監督(ベルナルジーニョ)の指揮した代表チーム(セレソン)は感動的な試合を披露。ぎりぎりのところで巻き返してタイブレークに持ち込み、3―2で逆転勝利を収めた。
二〇〇〇年末にブラジル男子バレー・セレソンの監督に就任したベルナルジーニョは、ブラジルを十回決勝へ導き、うち八回の世界タイトルを獲得している。
昨年度の世界大会で行われたように、ベルナルジーニョは先発メンバーと補欠を何度も交代させる作戦で勝利を確保した。このミュータント・チームが来年アテネで開かれる五輪で金メダルを目指す。「チームワークが勝利を生んだ。(交代を何度もしたことで)個人賞は得られなかったが、タイトル獲得が一番重要なのだ」と満足している。
今回の試合はベルナルジーニョにとって最悪の苦戦だった。セレソンは第1セットを25―16と好調に制したが、2セット目は21―25でセルビア・モンテネグロに奪われた。3セットは19―25で完敗。4セット目で、ぎりぎりの25―23でタイブレークに持ち込んだ。
セレソンは一時間五十一分にわたってエラーを出し続けた。「最初は調子良かったが、相手のサーブが次々と決まり、チームがいら立ち始めた」と同監督は説明。そこで補欠と先発選手をミックスさせ、エラーを補おうとした。
最終セットのタイブレーク戦では、15ポイントを先に獲得した方が勝利者になるはずだったが、勝負は31―29という倍のポイントで決定。両チームが、互いのマッチポイントへ次々と追いついていき、試合が二十七分に及ぶ長期戦になったためだ。これは、九八年十月に新しいバレーボールの規則ができて以来、初めて。
このセットでは、両チームともにサーブを六回ずつ失敗した。ほとんどがマッチポイントでのエラーで、選手たちのあせりが表面化した。ブラジルのマッチポイントで、ジーバがアタックを決め、勝利に導いた。
ジーバは昨年十二月十五日、所属するイタリアのフェラーラでのドーピング検査で、マリファナ使用の結果が出て試合八回出場禁止処分に。「そのようなことは二度と起こさない」と誓ったジーバは、今大会では補欠として出場。「ブラジルが勝つには選手十二人全員が必要だということを我々は証明した。自分がそのチームの役に立てたことを誇りに思う」と喜んでいた。