7月16日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】サンパウロ州地下鉄公団(METRO)は十三日、裁判所が下した判決で従業員給与調整が二千九百七十万レアルの赤字決算となり、ヴィラ・ソニア(聖氏東部)とルース間の第四線工事が大幅遅延になると発表した。
同区間の架設予定は今年下半期に開始し、二〇〇六年一部開通予定であった。全長十三キロメートルにわたり、毎日九十万人の乗客を輸送する予定。州政府は用地接収のために九千万レアルの予算を確保、工事のために国際開発銀行(BIRD)から二億九百万ドルの融資を用意した。
同公団は今年の決算で、営業利益を千三百八十万レアルを計上していた。しかし労働裁判所(TRT)は、従業員に一八・一三%の給与調整を命じた。一二・一三%を即時調整、一月と三月にそれぞれ三%ずつ調整という判決だ。公団の試算では人件費が、乗車券売り上げの六八%から八一%になる見込みとなった。
一方地下鉄労組は、一日の乗車券売り上げが三百万レアルであり給与を支払っても毎月、二千二百万レアルの余裕があるとみている。乗車券の値上げをしなくても、給与の調整はできるはずと労組はいう。
公団は第四線の遅延と同時に、第二線アナ・ローザとサコマン間も工事を遅らせる。地下鉄工事の遅延は、十年や二十年が珍しくない。地下鉄公団の支払いは既存の運行線メンテナンスと経常費を優先するので、工事下請けと清掃下請け企業への支払いが後回しになる。