7月16日(水)
全国拓殖農業協同組合連合会(JATAK)が整備したグァタパラ市の農業技術普及交流センターに、二人の研究者が着任した。東京農工大学名誉教授、塩谷哲夫博士は同センターの所長を、冨田健太郎博士は研究員として働く。今回は、来年から本格的に始まる研究のための視察が目的。
冨田博士はパナマ、ケニア、スリランカなどでも土壌研究の経験を持つ。三月から、来伯し研究を行っている。「グァタパラの土壌は肥料の過剰使用が目立ち、人間でたとえれば肥満の状態。いかに、ダイエットするかが課題だ」と、グァタパラの様子を語った。
塩谷博士は八回目の来伯、八〇年代にはセラード開発研究員の一員を勤めたこともある。「目的は地域の日系人が豊かに暮らせるようにすること」と、したうえで「日系人は農業技術に関しては一流だが、販売などのマーケティング面では不得手な印象を受ける。今後は技術面の支援だけでなく、流通や販売、さらに生活面などでもさまざまな助言をしていきたい」と、熱意を語った。
両博士は、来年四月に再来伯し、JATAK青年協議会(研修生OB会)の協力や支援を得ながら、本格的な研究に移行する。