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インジオの塗料 商業生産へ=仏科学者が開発

7月17日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙】食料品・化粧品メーカーによく利用されるウルクン(またはコロラウ)は、アメリカ亜熱帯地方特有の植物であるウルクゼイロから採取され、数世紀にわたり南米のインジオたちに塗料として使われてきた。六月二十七日付のサイエンス誌によれば、フランスの科学者たちが、ウルクンをトマトから採取する方法を編み出したという。
 科学者たちは、ウルクンの塗料をつくる三つの遺伝子を確認。トマトの赤い色をつくる分子が、ウルクンと同じ塗料をつくる一歩手前の段階にあることを突き止めた。
 この分子を合成するバクテリアに三つの遺伝子を植え付けたところ、バクテリアはウルクゼイロで見られるウルクンの塗料と同じ成分を作り出した。
 ウルクンはインジオの体に塗る塗料として使われてきたことで有名。南米では朝市などで簡単に見つけられる。ヨーロッパ人たちにとって、ウルクンの代理となる塗料を生産できるようになることは、商業的に有利である。
 「我々の第一目的は、分子の合成をコントロールする遺伝子を確認し、クローンすること。その後の研究次第では、ほかの植物にもこの遺伝子を植え付けてみる」と、ルイ・パストゥール大学のBilal Camara氏はエスタード紙に話している。