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コラム オーリャ!

 評価ゼロと言われたバルゼア・アレグレ移住地。何故、留まって我慢したのかと質問をぶつけたところ、沖島義智さん(七一)は、「動くに動けなかっただけ」と、本音をのぞかせた。
 『アマゾンの歌』(角田房子著)で主人公の山田義一氏が同様の台詞を語る場面がある。
 「よくトメアスーでがんばりぬいた。えらいもんだ――などと賞められることがあります。しかし、えらいのでも何でもない。女、子供ばかりの家族で出るに出られなかった、というだけのことです」。
 トメアスーに入った移民は戦前、アマゾンの過酷な条件下で開拓に励み、苦難の末に、胡椒栽培に成功する。今は養鶏で潤うバルゼアの姿にも通じる。
 バルゼアでは、入植二十周年(一九七九)に記念誌を発行した。所持している人はもう、数えるくらいとか。移民の記録、大切に保存しておきたい。  (古)

03/07/17