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FTAAのバルカン化=米商務省高官がブラジル批判

7月19日(土)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十八日】米国政府は、「三つの段階」で交渉を進めるという、ブラジル政府の米州自由貿易地域(FTAA)に対する提案を同地域の「バルカン化」だとみなしている。さらに米国政府によると、ブラジルとアルゼンチンはアメリカ大陸の貿易自由化についての対話を妨害してきたという。
 これらのコメントは米国商務省の高官が電話取材に応じて発言したもの。ある地域を様々な領域に分割し、多くの場合互いが敵意を持つことを意味する、英語の「バルカナイズ」という動詞を同高官は使った。この言葉はユーゴスラビアの崩壊後に多くの国家が登場したバルカン半島の状況と結びついて生まれた。
 外務省が策定したブラジルの提案によると、FTAA交渉は「三つの段階」で進められる予定。第一段階は相互協定締結を目指した各国間の直接交渉の実施。ここでは農業と工業資材の貿易自由化が交渉テーマとなる。第二段階では農業補助金、アンチダンピング法、競争的市場への参入、知的所有権といった論争を呼ぶテーマが扱われる。第三段階では「FTAAライト」創設を目指し、同協定の大要と直接関係する、競争ルール、経済協力、発展政策やその他制度に関する事柄が交渉テーマとなる。
 ブラジルの提案はメルコスル加盟諸国の支援をあてにしたものだった。しかし、メルコスル以外の三十カ国は十二日にエルサルバドルで実施された会議で同提案を拒絶した。
 ブラジル政府にとって段階的交渉は米州四地域に別々の提案を行うという米国の戦略の結果生まれたものだった。アモリン外相は米国の姿勢に対する答えとして、相互交渉というメルコスルの戦略を何度も正当化した。