7月22日(火)
ブラジル各地の主要都市で日本料理店の人気が高まっている。ホテル・レストラン・バー等の企業組合の統計によると、サンパウロ市内ではシュラスコ店五百店に対し日本料理店は六百店。日本料理店数はここ十五年の間に四〇〇%の伸びを示しているという。十六日付、ヴェージャ誌が報じている。
日本料理店の増加はサンパウロ市だけでなく、全国各地でも顕著に見られている。首都・ブラジリア市では二十数店舗あり、シュラスコ食べ放題の店と同数。同市の飲食業組合のセザール・ゴンサウヴェス会長は、「五年前、日本料理店の数は五軒ほどだった」という。現在、主要都市のシュラスコ店ではサラダ・バーに寿司、刺身コーナーの設置も考えられている。
九八年、同誌が発行したグルメ特集号では、六大都市の日本料理店四十店が優秀店に選ばれたが、二〇〇二年の特集号では六十五店に増えた。二年前、アブリル出版社が発行したギア・ブラジルでは全国の百四十店舗が紹介されたが、今年度版では二百店舗に増加。都市別にみると、五年間でレシフェ市内の日本料理店は九店から十四店へ、またポルト・アレグレ市では二店から九店へと飛躍した。
好評の理由は脂肪分が少なく健康的だからとされる。また、五年前は、レストランで一人前七十レアルもした日本料理が、今では、ショッピングセンターでランチが十六レアルで食べられるようになったことも人気に拍車をかけたようだ。そのほか、シュラスコ店は最低五十万レアルの開店費用がかかるのに対し、日本料理店は平均十五万レアルですむことも増加の理由の一つと言われている。
「日本料理の需要が高まったことで新しい日本料理店が出現した。しかも、ますます技術的になっている」とサンパウロ市の料理評論家、サウル・ガルヴァオン氏は語る。握り寿司もブラジル人の好みに合うよう小さめになり、さらに新しい様式も取り入れられている。
リオデジャネイロ市で評判の日本料理店「海峡」では、牛肉のたたき(表面はよく焼き、中身は生焼けの状態)の握り寿司を提供、マナウス市の「スキタケ」はアマゾニア名物のピラルクーの照り焼きを使った握りを出している。「スキタケ」店主のマウリッシオ・ハシモト氏は、「ピラルクーの刺身は作らない。魚肉がやわらかく、ボロボロになりやすい」と話している。